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メイン・インデックス歌謡曲の砦>加藤登紀子 ディスコグラフィー オリジナルアルバム編 (1) 67〜87年


加藤登紀子 ディスコグラフィー オリジナルアルバム編 (1) 67〜87年



 1966年、アマチュアシャンソンコンクール優勝をきっかけに加藤登紀子は「誰も誰も知らない」でデビューする。この時点での彼女は水木かおる、小林亜星、なかにし礼などの職業作家の作品を歌う歌謡曲歌手であった。
 一度目の大きな変化は、1969年、自ら作詞・作曲した「ひとり寝の子守唄」のヒットである。シンガーソングライターという言葉のまだ存在しなかった時代、彼女は商業のフィールドにいながらして、自らの言葉で表現する手段を獲得していく。1970年には、自作メインのアルバム「私の中のひとり」を発表する。
 次の大きな変化は71年、森繁久弥のカバー、「知床旅情」の大ヒットだった。 この年、加藤登紀子は、ロシア民謡の「ロシアのすたるじぃ」、シャンソンの「美しき五月のパリ」、歌謡曲の「日本哀歌集」と、三枚ものカバーアルバムを矢継ぎ早に発売している。
 自作するだけにとどまらず、あらゆるところにあるすばらしい歌を自分の表現にしていく……。「カバーとオリジナル」。彼女の歌手活動の両輪が、この時、たちあらわれた。
 その活動スタイルがゆるぎないものとなったのは、個人事務所・揆楽舎の設立、藤本敏夫氏との獄中結婚、長女・美亜子の出産という激動を経て生まれた74年作品「この世に生まれてきたら」である。
 以降、加藤登紀子は三人の娘を産み、育てながら、今でも関係の密なるセンチメンタル・シティ・ロマンスをはじめ、河島英五、中島みゆき、長谷川きよし、坂本龍一、ムーンライダースなどなど、様々なアーティストと親交を深めながら、様々な音楽ジャンルを軽々と越境し、歌を歌っていく。  82年の「愛はすべてを赦す」以降数作は、意外にも、実験的サウンドに彩られたアルバムがならんでいる。


◆ 赤い風船  (67.06.05/ポリドール)
cover
1. ギターをひこう
2. 小さな花びらの思い出
3. 想い出の瞳
4. 枯木の上に
5. 真夜中の電話
6. あじさい色の雨
7. 青春のブルース
8. 赤い風船
9. そして今は
10. 誰も誰も知らない
11. 恋はせつなく
12. 恋の別れ道
13. 群衆
14. さようなら
(水木かおる/小林亜星/小林亜星)
(永田文夫/林雅彦/竹内一朗)
(なかにし礼/ C・アズナブール・G.ガルバレンツ/早川博二)
(加藤登紀子/P.ルーキ・C.マンサード/早川博二)
(加藤登紀子/加藤登紀子/早川博二)
(水木かおる/藤原秀行/藤原秀行)
(なかにし礼/F.ジェラール・ J.レナルド/早川博二)
(水木かおる/小林亜星/小林亜星)
(なかにし礼/P.De Lande-G.Becaud/早川博二)
(なかにし礼/中島安敏/中島安敏)
(なかにし礼/A.コンテ・E.コテルン/早川博二)
(なかにし礼/中島安敏/川上義彦)
(なかにし礼/H.サルバドール/山下毅雄)
(加藤登紀子/加藤登紀子/小野崎孝輔)
 デビューアルバム。タイトル曲の「赤い風船」でレコード大賞新人賞を受賞。 さっそくシングル4作目「真夜中の電話」では自作品を披露するが、リリース時「歌手が自作の曲を歌うと業界からボイコットされる」などと忠告を受けたそうだ。時代だなぁ。 加藤登紀子のはじめの一歩は、当時のゲーノーカイにどこにでもいる歌謡曲歌手であった。


◆ ギターをひこう  (67.11.05/ポリドール)
cover
※ 未CD化
1. ギターをひこう
2. 赤い風船
3. 想い出の瞳
4. 枯木の上に
5. あじさい色の雨
6. 誰も誰も知らない
7. 波も風も砂も
8. 真夜中の電話
9. 虹は消えても
10. 恋の別れ道
11. そして今は
12. 北の街
13. 海の夕日に
14. さようなら
(水木かおる/小林亜星/小林亜星)
(水木かおる/小林亜星/小林亜星)
(なかにし礼/ C・アズナブール・G.ガルバレンツ/早川博二)
(加藤登紀子/P.ルーキ・C.マンサード/早川博二)
(水木かおる/藤原秀行/藤原秀行)
(なかにし礼/中島安敏/中島安敏)
(井上美代子/寺島尚彦/山下毅雄)
(加藤登紀子/加藤登紀子/早川博二)
(橋本淳/ずきやまこういち/すぎやまこういち)
(なかにし礼/中島安敏/川上義彦)
(なかにし礼/P.De Lande-G.Becaud/早川博二)
(今井かずなり/小林亜星/小林亜星)
(水木かおる/小林亜星/小林亜星)
(加藤登紀子/加藤登紀子/小野崎孝輔)
 ファースト「赤い風船」が収録曲の翻訳著作権に問題が生じて発売中止。その後に発売されたアルバム。 「赤い風船」と収録写真、レイアウトが見事なくらいまったく同じアルバムになっている、とのこと。必要最低限を差し替えて製作したアルバムらしい。とはいえこの盤で初お目見えの楽曲もあったりする。


◆ ひとり寝の子守唄  (69.12.05/ポリドール/81位/0.3万枚)
cover 1. ひとり寝の子守唄
2. まごころ
3. 時には母のない子のように
4. 昭和ブルース
5. 戦争は知らない
6. 風
7. フランシーヌの場合は
8. 愛する人に歌わせないで
9. 白いブランコ
10. 坊や大きくならないで
11. 帰りたい帰れない
12. 希望
(加藤登紀子/加藤登紀子/森岡賢一郎)
(山上路夫/三木たかし/森岡賢一郎)
(寺山修司/田中未知/小谷充)
(山上路夫/佐藤勝)
(寺山修司/加藤ヒロシ/早川博二)
(北山修/はしだのりひこ/森岡賢一郎)
(いまいずみあきら/郷五郎)
(森田公一/森田公一/早川博二)
(小平なほみ/菅原進/早川博二)
(浅川しげる/トリン・コン・ソン/森岡賢一郎)
(加藤登紀子/加藤登紀子/小野崎孝輔)
(藤田敏雄/いずみたく/小谷充)
   「赤い風船」こそヒットしたが、その後歌謡曲歌手として大きなヒットは出せず、苦闘。この2年間、アルバムの発売はない。 そこから、自ら作詞作曲した「ひとり寝の子守唄」がようやくヒット。レコード大賞を歌唱賞受賞する。 シンガーソングライターとしてのベクトルがここで決まった。 まだまだ自作は少ないが、「フランシーヌの場合は」、「時には母のない子のように」などフォーキーなモノをカバーするなど、イメージに合わせてきている。


◆ 帰りたい帰れない  (70.04.01/ポリドール/72位/0.6万枚)
cover
※ 未CD化
1. 帰りたい帰れない
2. 赤い風船
3. ギターをひこう
4. 小さな花びらの思い出
5. あじさい色の雨
6. 終わったよ
7. ひとり寝の子守唄
8. 真夜中の電話
9. 虹を探そう
10. つめたくすてて
11. 誰も誰も知らない
12. 枯木の上に
(加藤登紀子/加藤登紀子/小野崎孝輔)
(水木かおる/小林亜星/小林亜星)
(水木かおる/小林亜星/小林亜星)
(永田文夫/林雅彦/竹内一朗)
(水木かおる/藤原秀行/藤原秀行)
(加藤登紀子/加藤登紀子/小野崎孝輔)
(加藤登紀子/加藤登紀子/森岡賢一郎)
(加藤登紀子/加藤登紀子/早川博二)
(滝田順/信楽潤/早川博二)
(岩谷時子/筒美京平/筒美京平)
(なかにし礼/中島安敏/中島安敏)
(加藤登紀子/P.ルーキ・C.マンサード/早川博二)
 「帰りたい帰れない」のヒットで出されたコンピ盤といったほうがいいかも、過去のシングル・アルバムからピックアップ。 「つめたくすてて」は岩谷時子・筒美京平起用という、意外。なんでも事務所がヒット狙いで作った渾身の作だったのだとか、もちろん加藤は抗議したが、最終的にマネージャーの熱意に折れてレコーデイング。そして一大プロモーションを組む、が、やっぱり売れなかった。ま、そんなものよ。


◆ 私の中のひとり  (70.07.01/ポリドール)
cover
※ 未CD化
1. 別れの数え唄
2. ゲバラ・アミーオ
3. 朝の食事
4. 帰りたい帰れない
5. 真夜中の電話
6. とっても長い道
7. 牢獄の炎
8. ララ行こうじゃないの
9. レニングラードの不良少年
10. マリーザンデルス
11. ひとり寝の子守唄
12. さようなら
(加藤登紀子/加藤登紀子/森岡賢一郎)
(加藤登紀子/加藤登紀子/前田憲男)
(J.Prevert 小笠原豊樹(訳)/加藤登紀子/中島安敏)
(加藤登紀子/加藤登紀子/小野崎孝輔)
(加藤登紀子/加藤登紀子/中島安敏)
(平井吉夫/平井吉夫/小野崎孝輔)
(加藤登紀子/加藤登紀子/中島安敏)
(浅川マキ/加藤登紀子/前田憲男)
(加藤登紀子/加藤登紀子/中島安敏)
(加藤登紀子/加藤登紀子/中島安敏)
(加藤登紀子/加藤登紀子/森岡賢一郎)
(加藤登紀子/加藤登紀子小野崎孝輔)
 初の自作メインの作品集。ここからシンガーソングライターとして本格的にスタートする。以降はいわゆる職業作家が作った歌謡曲作品はなくなっていく。 また時代も70年代に入って、自作自演がスタイルとして確立しつつある頃でもあった。 「ララ行こうじゃないの」は珍しくも、浅川マキ提供詞。当時ふたりは親交が深かったのだ。 シンガー・ソングライターとしての目覚めの時期の加藤登紀子の朋友であり、ライバルであったのが、マキなのだ。


◆ ロシアのすたるじぃ  (71.02.01/ポリドール/89位/0.4万枚)
cover 1. カチューシャ
2. 道
3. 暗い夜
4. 街灯
5. 満州の丘に立ちて
6. モスクワ郊外の夕べ
7. ともしび
8. 赤いサラファン
9. ウラルのグミの木
10. ブブリチキ
11. 淋しいアコーディオン
12. 黒い瞳の
13. サベライ
14. 草原
(加藤登紀子/B.M.Isaakovich-B.M.Isaakovich/川上義彦)
(加藤登紀子/O.A.Ivanovich-N.A.Grigorevich/川上義彦)
(加藤登紀子/Agatov-Bogoslovskij/川上義彦)
(加藤登紀子/Traditional/川上義彦)
(加藤登紀子/M.A.Ivanovich-S.Ilja A/川上義彦)
(加藤登紀子/M.A.Ivanovich-S.Ilja A/川上義彦)
(加藤登紀子/I.M.Vasilevich-Traditional/川上義彦)
(関鑑子/Traditional/川上義彦)
(加藤登紀子/P.M.M-R.Evegeni J P/川上義彦)
(加藤登紀子/Traditional/川上義彦)
(加藤登紀子/I.M.Vasilevich-M.B.Andreevich/川上義彦)
(矢沢保/Traditional/川上義彦)
(上野破魔治/Traditional/川上義彦)
(加藤登紀子/Traditional/川上義彦)
 お登紀さんの原点。ロシア民謡のカバー集。生まれてもいない私からみると、いわゆるこれってモノクロ写真の中の「うたごえ喫茶」の世界?「ともしび」とかの。 親子ほど歳の離れたわたしにとっては、ちょっと評価の難しい作品だけれども、彼女と同世代には、訴求力の強い世界であるのは確か。 71年発売の彼女のアルバムはロシア民謡、シャンソン、「知床旅情」と彼女のレパートリーの原点ともなっている。 ところで、なんで当時の左寄りのみなさんってロシア民謡にいくわけでしょうか。お登紀さんの故郷のハルピンはロシア革命から難を逃れたロシア貴族たちの街でもあったわけだからこれを彼女が歌う意味というのはわかるけど……。


◆ 日本哀歌集  (71.04.10/ポリドール/12位/6.7万枚)
cover 1. 知床旅情
2. 銀座のすずめ
3. 満州里小唄
4. 弥三郎節
5. 蒙古放浪の歌
6. 西武門節
7. 琵琶湖周航の歌
8. 討匪行
9. ゴンドラの唄
10. 五右衛門節
11. 篭の鳥
12. 北帰行
12. さすらい
(森繁久彌/森繁久彌/竹村次郎)
(野上彰/仁木他喜雄/竹村次郎)
(島田義文/陸奥明/川上義彦)
(Traditional/早川博二)
(仲田三孝/仲田三孝/川上義彦)
(川田松夫/川田松夫/竹村次郎)
(小口太郎/小口太郎/早川博二)
(八木沼丈夫/藤原義江/竹村次郎)
(吉井勇/中山晋平/川上義彦)
(加藤登紀子/加藤登紀子/竹村次郎)
(千野かおる/鳥取春陽)
(宇田博/宇田博/川上義彦)
(西沢爽/狛林正一/竹村次郎)
 しばらく続く和モノカバーの1発目。ごめん。これもちょっとわからない。 が、一番支持される加藤登紀子の世界がこれであり……。団塊世代のじさまばさまにとっての追憶の彼方にある懐メロっていうことなんでしょう。R-60の世界。


◆ 美しき五月のパリ   (71.11.01/ポリドール)
cover 1. 黒い鷲
2. マリー・マリー
3. 戦争の子供たち
4. メランコリー
5. 首つり男
6. ミラボー橋
7. インシャラー
8. 美しき五月のパリ
9. ロマンス
10. ナントの雨
11. 暗い日曜日
12. そして今は
13. 枯葉
14. 私はひとり片隅で
(加藤登紀子/Barbara/広瀬雅一)
(菅美沙緒/P.Delande-G.Becaud/広瀬雅一)
(加藤登紀子・古賀力/C.Aznavour/広瀬雅一)
(岩谷時子/P.Dudan-A.Romans/広瀬雅一)
(加藤登紀子/A.Barriere/広瀬雅一)
(加藤登紀子/G.Apollinaire-L.Ferre/広瀬雅一)
(加藤登紀子・永田文夫/S.Adamo/広瀬雅一)
(加藤登紀子/不詳/広瀬雅一)
(H.Rassis-J.Kosma/広瀬雅一)
(加藤登紀子/Barbara/広瀬雅一)
(R.Seress-L.Javor/広瀬雅一)
(なかにし礼/P.De Lande-G.Becaud/広瀬雅一)
(J.Prevert-J.Kosma/広瀬雅一)
(加藤登紀子/C.Aznavour/広瀬雅一)
 ここにきてようやく原点・シャンソンのカバーアルバムがリリース。好きな楽曲が並んでいるんだけど、さすがに今聞くとアレンジの古さとか、登紀子との声のマッチングが気になってしまい、まあ、仕方ないとはいえるんだけれども――もったいない。 加藤登紀子の声も若く、出来あがっていない感じ。『私は私』、『TOKIKO L'amour 2 Songs For You 愛の歌を』を聞いて、この世界を追及したいリスナーはトライしてもいいかも。


◆ 色即是空  (72.09.01/ポリドール)
cover
※ 未CD化
1. 色即是空
2. 夜のバラ
3. トゥン・バラライカ
4. アレイ・アレイ・オクスン・フリー
5. ぺぺという男
6. インカの娘
7. あんたのいない部屋
8. 海からの願い
9. 日暮れにうたう唄
10. 人はいつしか年老いて
11. ライラ・ライラ
12. 風に吹かれていたら
13. スリラン
14. さくらんぼの実る頃
(加藤登紀子/加藤登紀子/広瀬雅一)
(加藤登紀子/Traditional/東海林修)
(Traditional/東海林修)
(加藤登紀子/R.Mckuen/東海林修)
(加藤登紀子/加藤登紀子/広瀬雅一)
(加藤登紀子/N.Garcia/広瀬雅一)
(加藤登紀子/加藤登紀子/広瀬雅一)
(加藤登紀子/加藤登紀子/深町純)
(加藤登紀子/小室等/広瀬雅一)
(加藤登紀子/加藤登紀子/東海林修)
(加藤登紀子/ユダヤ民謡/東海林修)
(加藤登紀子/加藤登紀子/福山敦夫)
(Noersiah訳詞/インドネシア民謡/広瀬雅一)
(工藤勉(訳)/J.B.Clement-A.Renard/広瀬雅一)
 自分の世界を少しずつだが、確実に築きあげていく加藤登紀子。真の意味のオリジナリティ―という面においては、ここからという感じがする。 72年1月の中近東一人旅の成果を表した一枚。ここから彼女のワールドミュージック志向が本格的に出てくる。ここではユダヤ民謡や中南米をテーマにしている。 タイトル作の「色即是空」以外、今ではあまり披露される歌が少ないのが残念だけれども、佳曲がつまっている。 藤本敏夫氏との獄中結婚、長女美亜子の出産もこの年であった。 なお、ここ収録されている「さくらんぼの実る頃」は、後に「紅の豚」で使われたものとは歌詞が違う。


◆ 日本寮歌集  (72.10.01/ポリドール)
cover 1. 嗚呼玉杯に
2. 対一高端舟漕凱歌
3. 花椿咲く南国の
4. 愁ひに沈む
5. 佐渡が島山
6. 紅萌ゆる
7. 瓔珞みがく
8. 筑紫の富士に
9. 丘の団欒に
10. 離別の悲歌
11. 都ぞ弥生
12. 夕べの丘に
13. 上洛の歌
14. 野尻湖の歌
15. 楠の葉末
16. 月見草
17. 浅春
18. 北の都に秋たけて
19. 北帰行
(矢野勘治/楠正一/第一高等学校第12回記念祭寮歌)
(湊勇雄/川田吉衛/第二高等学校寮)
(中井正文/金堀伸夫/第五高等学校寮歌)
(鈴木武/水島輝夫/山形高等学校四寮寮歌)
(田坂卓美/大野彰吾/新潟高等学校寮歌)
(沢村胡夷/沢村胡夷/第三高等学校逍遙の歌)
(佐藤一雄/置塩奇/北海道帝国大学予科桜星会歌)
(石川勝治/不詳/第一高等学校第22回記念祭寄贈歌)
(中村亮二/中村亮二/富山高等学校寮歌)
(依光良馨/青木利夫/東京商科大学予科寮歌)
(横山芳介/赤木顕次/北海道大学寮歌)
(福田光・中村己喜夫/長友重孝/水戸高等学校暁鐘寮々歌)
(金沢良雄/大門としお/浪速高等学校寮歌)
(吉田幸次郎/田中敬一東京高等学校水泳部の歌)
(小川森秀/梁田貞第七高等学校造士館寮歌)
(阪田耕蔵/春名弥三雄/神戸商業大学予科逍遥歌)
(近藤文司/佐藤捨己/高知高等学校寮歌)
(駒井重次/金原裕之助/第四高等学校時習寮南寮々歌)
(宇田博/宇田博/旅順高等学校逍遥歌)
 なんで旧制高校の歌を加藤登紀子が歌わなければならないのか、いまいちわたしにはわからないのだが、パブリックイメージとしては加藤登紀子ってこういう歌を歌う人ってのが確実にあるんですよね。それもこれも「琵琶湖周航の歌」がいけない(笑)。 こういう大時代的なものがお好きな人は是非。


◆ この世に生まれてきたら  (74.03.21/ポリドール)
cover 1. この世に生まれてきたら
2. おまえの人生
3. ただ一言彼に伝えたい
4. 黒の舟唄
5. 無用ノ介
6. いく時代かがありまして
7. あなたの気配
8. 朝の食事
9. けだるいワルツ
10. 子育て地蔵
11. テネシーワルツ
12. 灰色の瞳
(加藤登紀子/加藤登紀子/深町純)
(加藤登紀子/加藤登紀子/告井延隆)
(加藤登紀子/加藤登紀子/告井延隆)
(能吉利人/桜井順/広瀬雅一)
(柏原秀美/早川義夫)
(加藤登紀子/加藤登紀子/深町純)
(加藤登紀子/加藤登紀子/広瀬雅一)
(J.Prevert 小笠原豊樹(訳)/加藤登紀子/加藤登紀子)
(加藤登紀子/加藤登紀子)
(加藤登紀子/加藤登紀子/加藤登紀子)
(加藤登紀子/P.W.King-R.Stewart)
(加藤登紀子/Tito Veilz-Una Ramos/山木幸三郎)
 ターニング・ポイント。この年、活動の拠点となる個人事務所「揆楽舎」(「楽工房」の前身)を設立。足場がしっかりとしてきたここからが彼女の本領発揮と見ていいだろう。 このアルバムで、現在に到るまでの加藤登紀子の音楽的なパートナーである告井延隆と出会う。 まだこの時点では告井延隆はたった2曲しかアレンジ担当していないが、やっぱりこの2つが残る。 ――あとのは、その後に歌いなおしたほうのがいいモノのほうが断然いい。 「色即是空」〜「この世に生まれてきたら」〜「回帰船」と続けて聴くと、加藤登紀子が自分の世界をいかように広げていったかが、よくわかる。


◆ 赤い靴  すばらしき詩人たち  (74.12.21/ポリドール)
cover 1. 赤とんぼ
2. 浜千鳥
3. 十五夜お月さん
4. 赤い靴
5. あの町この町
6. 叱られて
7. 花嫁人形
8. 砂山
9. 七つの子
10. 俵はごろごろ
11. 浜辺の歌
12. 花かげ
13. 雨
14. 灯台守
(三木露風/山田耕作)
(鹿島鳴秋/弘田龍太郎)
(野口雨情/本居長世)
(野口雨情/本居長世)
(野口雨情/中山晋平)
(清水かつら/弘田龍太郎)
(蕗谷虹児/杉山長谷夫)
(北原白秋/中山晋平)
(野口雨情/本居長世)
(野口雨情/本居長世)
(林古渓/成田為三)
(大村主計/豊田義一)
(北原白秋/弘田龍太郎)
(勝承夫/Traditional)
 「哀歌集」「寮歌集」と来た和モノカバーアルバム。赤い鳥あたりを意識したのか今回は抒情歌。この路線はこれで打ち止め。 ちなみにこの路線の進化形として83年「夢の人魚」がある。


◆ いく時代かありまして   (75.12.01/ポリドール)
cover
※ 未CD化
1. いく時代かがありまして
2. 見えない汽車
3. おさみし谷の別れ唄
4. 私は修羅
5. 逢瀬
6. 酔いどれ女の流れ唄
7. まわり道
8. ともだち
9. 海辺の恋
10. 都城の子守唄
11. 日暮れに歌う唄
12. リリー・マルレーン
(加藤登紀子/加藤登紀子/木森敏之)
(加藤登紀子/加藤登紀子/木森敏之)
(かぜ耕士/小室等/木森敏之)
(加藤登紀子/加藤登紀子/木森敏之)
(加藤登紀子/加藤登紀子/木森敏之)
(みなみらんぼう/みなみらんぼう/木森敏之)
(加藤登紀子/加藤登紀子/木森敏之)
(みなみらんぼう/みなみらんぼう/木森敏之)
(佐藤春男/小椋佳/木森敏之)
(中山大三郎/中山大三郎/木森敏之)
(加藤登紀子/小室等/木森敏之)
(加藤登紀子/Hans Leip-Nobert Schultze/山木幸三郎)
 妊娠中に楽曲制作。「都城の子守唄」「おさみし谷の別れ唄」などは、前作「赤い靴」の系譜であろう。 70年代の日本のフォークの香りが一番強い作品。泥臭さと湿り気がただよっている。 「この世に生まれてきたら」と「回帰船」の谷間でなんとなく印象が薄いアルバム。


◆ 回帰船  (76.11.21/ポリドール)
cover
※ 未CD化
1. 電話
2. 旅景色
3. 生まれた街
4. 雨上がり
5. あなたの行く朝
6. すれ違う夕暮
7. 向こう岸へ
8. ちっぽけなブルース
9. 大脱走
10. 土に帰る
(加藤登紀子/加藤登紀子/告井延隆)
(加藤登紀子/加藤登紀子/告井延隆)
(加藤登紀子/加藤登紀子/告井延隆)
(加藤登紀子/加藤登紀子/告井延隆)
(加藤登紀子/加藤登紀子/告井延隆)
(加藤登紀子/告井延隆/告井延隆)
(加藤登紀子/告井延隆/告井延隆)
(加藤登紀子/加藤登紀子/告井延隆)
(加藤登紀子/加藤登紀子/告井延隆)
(加藤登紀子/加藤登紀子/告井延隆)
 これは傑作。アルバム全体に立ちこめる大陸的な乾いてすがすがしい空気がいい。もともと歌謡曲歌手だった加藤登紀子が、ギターを習い曲を作り、そして、ようやくここにたどり着いたという感じ。今までのオリジナルアルバムで一番完成度が高いんじゃないだろうか。 今作ではセンチメンタル・シティ・ロマンスとがっつりコラボレーション。バンドスタイルというのが彼女の良さを引き立てたのだろうな。 以後は彼らとは、アルバム制作しライブツアーをし、と、濃密なコラボは現在に至るまで続いていく。
 次女八恵を産み、ただひたすらの子育て日々の最中のエアポケットのような瞬間を描いた「電話」。ハルピンに寄せて作られた「生まれた街」――以後「悲しみよ河になれ」「旅人」「遠い祖国」と全4部作となる。 「大脱走」「旅景色」のおおらかな流れ者感も良く、それが最後「土に帰る」で帰趨されていく。70年代のアルバムではこれか次の「さびた車輪」が個人的にはベスト。


◆ さびた車輪   (77.12.01/キティ)
cover 1. さびた車輪
2. 鳳仙花
3. 難船
4. 仮面の騎士
5. 裸足になって
6. 時代おくれの酒場
7. アマンダの思い出
8. TOKIKO
9. 波止場の夜
10. 朝日の中で
(加藤登紀子/加藤登紀子/佐藤博)
(金亨俊・金護経(訳)/洪蘭坡/福井崚)
(加藤登紀子/C.Meirelles-A.Oulman/告井延隆)
(加藤登紀子/加藤登紀子/告井延隆)
(加藤登紀子/加藤登紀子/告井延隆)
(加藤登紀子/加藤登紀子/告井延隆・森下登喜彦)
(加藤登紀子/Victor Jara/告井延隆)
(加藤登紀子/Una Ramos/加藤登紀子)
(加藤登紀子/Churkin/福井崚)
(加藤登紀子/加藤登紀子/佐藤博)
 ここから3作はキティからのリリース(――ディレクターが金子章平だったからだろうか。ポリドールから傘下のキティへ出向という形となる)。 後に本人出演の映画「居酒屋兆次」(主演高倉建)の主題歌となった「時代おくれの酒場」収録。 他、アマリア・ロドリゲスのカバー「難船」、ビクトル・ハラのカバー「アマンダの思い出」、ウニャ・ラモスからのプレゼント曲「TOKIKO」など。 現在でもライブのレパートリーとなっている楽曲が多数収録されている。前作に引き続いてフォーキーなアルバムだが、日本のフォークにあって、スケールの大きさが段違い。これがこの時代の彼女の美点だ。 ジャケットは何故か畑正憲のムツゴロウ王国で撮影。


◆ 愛する人へ   (78.10.10/キティ/40位/3.8万枚)
cover 1. 愛する人があるのなら
2. 赤いダリア
3. 星が降ります
4. けしの花
5. 嵐が過ぎて
6. この空を飛べたら
7. ANAK (息子)
8. カオルの詩
9. DEPORTEE  (流れ者)
10. 雨はいつか
(加藤登紀子/加藤登紀子/告井延隆・星勝)
(加藤登紀子/加藤登紀子/告井延隆・星勝)
(加藤登紀子/加藤登紀子/告井延隆・西沢幸彦)
(加藤登紀子/加藤登紀子/告井延隆)
(加藤登紀子/加藤登紀子/つのだひろ)
(中島みゆき/中島みゆき/福井崚)
(加藤登紀子/Freddie Aguilar/小野崎孝輔・星勝)
(東山博・東山恵津/高橋悠治/高橋悠治)
(田川律/Woody Guthrie/告井延隆)
(告井延隆/告井延隆/告井延隆)
 ジャケットは作家転向直前の橋本治の切り絵。東大つながりか? 「この空を飛べたら」「ANAK ―息子―」と二つのヒットシングルに引っ張られた作品。 前半が自作曲、後半がカバー・提供曲となっている。これは前半より後半のほうがだんぜんにいいな。
 中島みゆきとは彼女のデビュー時「時代」を歌っている姿をテレビで見、その存在に驚き、ヤマハに電話をかけて連絡先を聞き出して以来の付き合い。 話を聞いた中島はギター一本で加藤の自宅にふらりと現れて「夜風の中から」を歌ったんだとか。
 また、ある日突然見知らぬ人が尋ねてきて、「このレコードを聞いてください」といってあるシングルを残していった。 と、それがフレディー・アギラーの「ANAK」。この歌を一気に気に入った加藤はそのままカバー。フィリピンに飛び、フレディー自身とも会いマニラのライブハウスやスラム街の道端で一緒に歌ったという。
 「DEPORTEE  ―流れ者―」はメキシコからの不法労働者の強制送還時、彼らを乗せた飛行機が墜落してしまったという事実からの歌。ジョーン・バエズ、ボブ・ディランなども歌っている。 「カオルの詩」は三里塚闘争でなくなった東山カオルの両親の詩による歌。「雨はいつか」は盟友センチメンタル・シティロマンスのカバーである。


◆ 悲しみの集い  (79.09.10/キティ)
cover 1. 酔えば
2. あなたの気配
3. 悲しみの集い
4. 雪柳
5. 忘れ草
6. 一羽の鳥
7. 生きてりゃいいさ
8. 燃えろジングルベル
9. 踊れ時を忘れて
10. Freedom
(加藤登紀子/加藤登紀子/福井崚・安田裕美)
(加藤登紀子/加藤登紀子/福井崚)
(加藤登紀子/Haroldo Labo/告井延隆)
(加藤登紀子/加藤登紀子/西沢幸彦)
(加藤登紀子/加藤登紀子/福井崚)
(加藤登紀子/加藤登紀子/安田裕美・深町純)
(河島英五/河島英五/馬飼野俊一)
(河島英五/河島英五/馬飼野俊一)
(加藤登紀子/加藤登紀子/吉川祐二)
(加藤登紀子/加藤登紀子/つのだひろ・青木望)
 タイトルの通り、どこか寂しげな作品が多い。 「雪柳」は獄中からの夫の手紙から着想したもの。「あなたの気配」は夫不在の中、子育てに奔走する不安の日々を歌っている。 「一羽の鳥」はある友人の早過ぎる死から作られた。 「酔えば」の女性の側から描いたエロスの世界も、どこか切なさと背中合わせである。 「生きてりャいいさ」「燃えろジングルベル」は河島英五作品。日劇でのほろ酔いコンサート途中、観客からの「河島英五がいるぞ」の声に彼女が無理やり舞台の上に彼を引きずり出して以来の付き合い。 全体のトーンとしては暗く沈んだ感じで、ラスト2曲の解放感が妙に浮いている。


◆ OUT OF BORDER   (81.02.05/ポリドール)
cover 1. 棘あるバラ
2. ガラスの道
3. 灰色の季節
4. カーニバル
5. 色織り坂
6. OUT OF BORDER
7. 私はジプシー
8. 川のサンバ
9. 逢瀬
10. 帆をあげて
(加藤登紀子/加藤登紀子/川村栄ニ)
(加藤登紀子/加藤登紀子/川村栄ニ)
(加藤登紀子/加藤登紀子/松井忠重)
(加藤登紀子/加藤登紀子/松井忠重)
(加藤登紀子/加藤登紀子/川村栄ニ)
(加藤登紀子/加藤登紀子/川村栄ニ)
(加藤登紀子/加藤登紀子/加藤登紀子)
(加藤登紀子/加藤登紀子/松井忠重)
(加藤登紀子/加藤登紀子/松井忠重)
(加藤登紀子/加藤登紀子/川村栄ニ)
 ふたたびポリドールに戻ってのリリース。三女、美穂出産後の復帰作。 80年、カネボウ冬のキャンペーンソング「灰色の季節」収録。 「棘あるバラ」「灰色の季節」「カーニバル」「色織り坂」「わたしはジプシー」といった毒気を孕んだ女の情念の歌が多い。登紀子が激情に揺れている。 それらが、「川のサンバ」〜「逢瀬」〜「帆をあげて」のラスト3曲で、白々と浄化していく。去ってゆく男の背中に投げかける諦めにも似た想い――それでも、愛している。これはまさしく「女」のアルバムだ。


◆ Rising  (82.06.25/ポリドール)
cover
※ 未CD化
1. 影のジプシー
2. シララの歌
3. 形あるものは空
4. 悲しみよ河になれ
5. Rising
6. 寝た子を起こす子守唄
7. Running On
8. ふいふい鳥
9. NO NO NO
10. Good-bye Sadness
(加藤登紀子/加藤登紀子/深町純)
(新谷行・加藤登紀子/加藤登紀子/深町純)
(加藤登紀子/加藤登紀子/深町純)
(加藤登紀子/加藤登紀子/福井崚)
(加藤登紀子/加藤登紀子/深町純)
(阿木燿子/宇崎竜童/青木望)
(加藤登紀子/加藤登紀子/矢野立美)
(雨乃山太郎・加藤登紀子/金谷憲司・加藤登紀子/福井崚)
(加藤登紀子/加藤登紀子/深町純)
(加藤登紀子・Yoko Ono/Yoko Ono/川村栄ニ)
 原子力発電所の下請け労働者を歌った「影のジプシー」、山谷の詩人、雨乃山太郎の詩に曲をつけた「ふいふい鳥」、 アフリカの少年の詩にインスパイアされて作った「Rising」、「形あるものは空」「NO NO NO」など、前作とは一転、硬質で社会的なメッセージソングが目立つ。前作が「女」ならこのアルバムは「男」なつくりだ。
 他に、アイヌ説話に曲をつけた名曲「シララの歌」もいい。 阿木ー宇崎作品の隠れた名曲「寝た子を起こす子守唄」(オリジナルは豊島たづみ、後に寺島まゆみ、小川範子もカバー、宇崎自身も歌っている)、オノヨーコのカバー「Good-bye Sadness」、故郷ハルピンの桃花江をイメージし作った「悲しみよ河になれ」といったあたりには、はかないわが身を振り返るような淋しさがただよっている。


◆ 愛はすべてを赦す  (82.11.01/ポリドール)
cover 1. 愛はすべてを赦す
2. 今日は帰れない 〜パルチザンの唄〜
3. 秋のはじめに
4. 輝く三つの星 
5. アバンチュール
6. 唯ひとたびの
7. アラバマソング
8. バルバラソング 
9. 海賊ジェニー
10. 人間の努力は長続きしない 
11. 私が何か望んでもいいとしたら
12. セックスの魔力についてのバラード
(水木洋子・北川フラム/Olden-H.Wars/坂本龍一)
(加藤登紀子/不詳/坂本龍一)
(水木洋子/M.T/坂本龍一)
(加藤登紀子/Brennert-Mackeben/坂本龍一)
(加藤登紀子/加藤登紀子/坂本龍一)
(加藤登紀子/R.Gilbret-W.R.Heyman/坂本龍一)
(加藤登紀子/Bertolt Brecht-Kurt Weil/坂本龍一)
(高橋悠治/Bertolt Brecht-Kurt Weil/坂本龍一)
(高橋悠治/Bertolt Brecht-Kurt Weil/坂本龍一)
(高橋悠治/Bertolt Brecht-Kurt Weil/坂本龍一)
(加藤登紀子/Friedrich Hollaender/坂本龍一)
(加藤登紀子/Bertolt Brecht-Kurt Weil/坂本龍一)
 82年3月、高橋悠治、坂本龍一とジョイントコンサートを登紀子は行う。それから8ヶ月後、その二人を招いて作られたアルバムがこれ。プロデュースは坂本龍一。 ふたつの大戦の挟間に生まれたヨーロッパの歌を坂本龍一のピアノをバックに歌う。後半はほとんどクルトワイルの世界。 硬質で重厚な歌に、坂本のエキセントリックかつ静的なピアノの音がかぶる。 加藤登紀子 V.S 坂本龍一。ボーカルとピアノがぎりぎりで対峙している。 80年代の加藤登紀子のベストアルバムといってもいいだろう。
 また「今までテクノで表現しようとしたことが、ピアノ一本であっさり表現しちゃうとは」と坂本龍一に言わしめた盤でもある。 このアルバムを契機に彼はテクノから「戦場のメリークリスマス」→「AVEC PIANO」→「ラストエンペラー」とピアノとオーケストレーションの音に徐々に回帰していく。 坂本龍一の歴史的転向点にこのアルバムはあるといっていい。永らく廃盤となっていたが、続編の「夢の人魚」とともに06年、ついに再発売。必聴。


◆ 夢の人魚  (83.12.01/ポリドール)
cover 1. カチューシャの唄
2. フロリダ・タンゴ
3. 千夜一夜の唄
4. 港離れて
5. 鈴蘭物語
6. アラビアの唄
7. 夢の人魚
8. あこがれの空
9. 踊れ踊れ
10. 酒場の唄
11. 酒がのみたい
12. 悲しきプレリュード
(島村抱月・相馬御風/中山晋平/坂本龍一)
(西条八十/Charis Paknadel/上野耕路)
(野口雨情/佐々紅華/上野耕路)
(島田馨也/江口夜詩/上野耕路)
(藤浦洸/服部良一/上野耕路・清水靖晃)
(堀内敬三/F.Fisher/上野耕路)
(佐久間博司/Lew Pollak-Al Sherman/上野耕路)
(佐伯孝夫/Sam Coslow-Artur Johnston/坂本龍一)
(不詳/不詳/坂本龍一)
(北原白秋/中山晋平/坂本龍一)
(森岩雄/Burton Crane/坂本龍一)
(桐山麗吉/Joe Bishop/上野耕路)
 「愛はすべてを赦す」に引き続き、同じ時代のこんどは日本の歌をカバー。プロデュースは前作の坂本龍一にゲルニカの上野耕路。 大正浪漫とドイツ表現主義が混ざった世界観は、まさしく上野耕路の、そしてゲルニカの音。戸川純ならどう歌うかな、などと、余計な想像をしてしまう。 坂本龍一も前作と変わらず良い。 ドビュッシーの「沈める寺」ように夢幻的な「港離れて」、坂田明のものすごい声が楽しめるデュエット「アラビアの唄」等佳曲が並んでいる。 70年代初期に加藤登紀子が行っていた和モノカバーの発展型といったアルバムでもある。


◆ デ・ラ・シ・ネ  (84.06.05/ポリドール)
cover
※ 未CD化
1. デ・ラ・シ・ネ
2. 夢幻
3. むくげの花
4. 風来坊
5. 性悪女
6. 冬の蛍
(加藤登紀子/加藤登紀子/坂本龍一)
(加藤登紀子/加藤登紀子/川村栄ニ)
(加藤登紀子/加藤登紀子/川村栄ニ)
(阿久悠/加藤登紀子/萩田光雄)
(阿久悠/加藤登紀子/川村栄ニ)
(加藤登紀子/加藤登紀子/川村栄ニ)
 カバーの前作、前々作の露払い的に作られた久々のオリジナルアルバム。今のところ彼女の唯一のミニアルバム。 前作の系譜でもある坂本龍一編曲の「デ・ラ・シ・ネ」をはじめ、不倫を歌っていて哀しい「夢幻」。珍しく阿久悠に詞作を頼んだ「風来坊」「性悪女」など、ミニアルバムでありながら佳曲は多い。 ベストは美しい別れのバラード「冬の蛍」。後年、本人曰くこの時期、離婚を考えていたとか。納得の出来。切なく美しい。


◆ 最後のダンスパーティー  (84.12.01/ポリドール)
cover 1. 最後のダンスパーティー
2. 難破船
3. ロマネスク
4. 狂った季節
5. マンダリーナ
6. ない・もの・ねだり
7. イマジネーション
8. あいつは私のヒーロー
9. 幻想
10. パリデロ
(加藤登紀子・加藤直/加藤登紀子/白井良明)
(加藤登紀子/加藤登紀子/白井良明・武川雅寛)
(加藤登紀子/加藤登紀子/白井良明・武川雅寛)
(加藤登紀子/加藤登紀子/白井良明)
(加藤登紀子/加藤登紀子/白井良明)
(加藤登紀子/加藤登紀子/白井良明・武川雅寛・渡辺等)
(加藤登紀子/加藤登紀子/白井良明)
(加藤登紀子/加藤登紀子/白井良明)
(加藤登紀子/加藤登紀子/武川雅寛)
(加藤登紀子/加藤登紀子/白井良明)
 登紀子meetsムーンライダーズ。アレンジは白井良明、武川雅寛で、ムーンライダースからは他、岡田徹、かしぶち哲郎、鈴木博文がレコーディングミュージシャンとして参加(って鈴木慶一以外全員じゃん)。 「難破船」「幻想」「ない・もの・ねだり」あたりは加藤登紀子寄りのアレンジだけれども、「あいつは私のヒーロー」「狂った季節」あたりになるとニューウェーブ全開でほとんどムーンライダーズ。 ボーカルにおかまいなしにぶいぶいいわせてます。お登紀さん、これ、歌いにくかったでしょうなぁ。 ちょうどおなじ時期、坂本龍一が大貫妙子作品でトンでもアレンジしまくっていたけど、それに通ずる無理っぽさをちょっと感じたり……。でも、悪くないよ。というか、そこがむしろ、いい。 後に中森明菜が歌いヒットする「難破船」もここで初出。また、以降彼女のツアーメンバーとなる武川雅寛もここでお目見え。

※ ここよりすべてのアルバムが、CD化されている。


◆ Ethnic Dance  〜ゆらめく異邦人〜   (86.02.01/ポリドール)
cover 1. 哀しみのダンス
2. 賭けに負けた男たち
3. 恋に狂った男
4. カサブランカ・ムーン
5. バーボン・ストリート
6. 死にあこがれて
7. 恋に火をつけて
8. 渚の伝説
9. 七色の罪
10. 駅
11. 孤独の扉
(加藤登紀子/Leonard Cohen/Mark Goldenberg)
(加藤登紀子/Pithagoras-G.Katsaros/Mark Goldenberg)
(加藤登紀子/N.Gatsu-Manos Chazidakis/Mark Goldenberg)
(加藤登紀子/Anthony Moore-Peter Blegrad/Mark Goldenberg)
(加藤登紀子/Sting/Mark Goldenberg)
(加藤登紀子/Barbara/Mark Goldenberg)
(加藤登紀子/Mark Goldenberg/Mark Goldenberg)
(加藤登紀子/加藤登紀子/Mark Goldenberg)
(加藤登紀子/佐藤隆/Mark Goldenberg)
(加藤登紀子/加藤登紀子/Mark Goldenberg)
(加藤登紀子/Mark Goldenberg/Mark Goldenberg)
 当時、サントリー・ローヤルCF曲(――ガウディやランボーをテーマにした幻想的なCMだった)を担当し、話題となっていたマーク・ゴールデンバーグがプロデュース。 音はこれまでで一番ポップな打ちこみサウンド。きらきらしている。 スティングの「バーボン・ストリート」やレナード・コーエンの「哀しみのダンス」など、珍しいジャンルのカバーもある。が、全体としては後半が良く、特に「駅」の激情と「孤独の扉」の静謐の対比がすばらしい。感情のレンジがただ事でない。 この時期の加藤登紀子の、実らぬ恋の歌の説得力はただならぬものがある。女がしたたっている。


◆ My Story 〜時には昔の話を〜  (87.02.01/ポリドール)
cover 1. 北の便りを
2. 時には昔の話を
3. 歌いつづけて
4. 太陽が踊っている
5. 陽ざしの中で
6. 百万本のバラ
7. 最後の手紙
8. 夢と知りせば
9. 女心
10. さよならを捨てないで
(加藤登紀子/加藤登紀子/山本健司)
(加藤登紀子/加藤登紀子/山本健司)
(加藤登紀子/J.Barnel-M.Jouveaux/吉田建)
(加藤登紀子/加藤登紀子/山本健司)
(加藤登紀子/加藤登紀子/山本健司)
(加藤登紀子/A.Voznesnkij-R.Pauls/川村栄ニ)
(加藤登紀子/佐藤隆/Mark Goldenberg)
(吉成夏/吉田建/吉田建)
(加藤登紀子/鶴来正基/吉田建)
(加藤登紀子/加藤登紀子/星勝)
 今回は幕の内式のアルバム。珍しくアレンジャーもテーマも統一性なし。前作延長路線の「最後の手紙」、珍しく本人作詞作曲まったくなしの「夢と知りせば」などなど。 後に代表曲の一つとなった「時には昔の話を」「百万本のバラ」がここで初収録となったが、ここに収められたものは、どうにも、これはアレンジが良くない。特に方向性の定まっていないアップトゥデイトなサウンドメイクと加藤登紀子というのは、これ、相性が悪いものなのだな。 今作のベストは「歌いつづけて」、「さよならを捨てないで」。 このアルバムを最後にレコード会社を移籍、CBSソニーへと移る。




大幅変更 2008.12.20
2003.11.07
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