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迷走。本田美奈子の芸能史をざっくりといってしまえばその一言に尽きる。85年にアイドルとしてデビューし一定の人気を獲得したものの、地盤固めもせずに、更なる上を目指して方向転換。翌86年以降は、海外目指したりロックやり始めたりセクシーポーズで挑発したり、なにをやりたいのはまったくわからない展開乱発で、結果自爆。 92年、再起を賭けたミュージカル「ミス・サイゴン」で、ようやく歌手開眼。自らの進むべき道を掴むものの、ふたたびの人気を取り戻すことかなわず、今度はリリース散発状態に陥る。ディスコやったり、アニソン歌ったりと、ま、ぶっちゃけこの頃のシングル展開も、ま、人気がないから仕方ないのだろうけれども、迷走気味ではあるんだよね。 活動末期、一応クラシカルクロスオーバーという場所に身を落ち着けたものの、これだって、もし生き長らえていたならどうなったかなんて、わからない、わかりませんとも、あの美奈子なら。 今でこそ「つばさ」「アメージング・グレース」が後期の代表曲として認知されているけれども、それは死後の再評価によるもの。リリース当初の世間の反応なんて、ほぼスルーでしたからね(――むろん、これらの曲、美奈子は世間からの冷遇にへこたれず、大切に歌いつづけていたから、結果死後代表曲のひとつはなったのだけれども)。 彼女のシングル史を紐解くと「芸能界でさまよいつづけた、才能はあったが開花しきれなかった悲運の歌姫・本田美奈子」という姿がくっきりと見えてくる。それを可哀相ととるか、面白いととるか、自業自得ととるか。解釈の違いで彼女の受け止め方が人それぞれ、変わってくるんじゃないかな。
ルージー・アンド・ミステリアスなデビューシングル。海辺のリゾート地のひと夏かぎりの妖しい恋、という当時でいうなら小林麻美あたりがベタハマリするような、お高い設定。誘惑する男たちに、金のピアスをプールに投げて「拾って御覧なさい」ってどんだけ。さらにドスの効いたロングトーンで持ち前の歌唱力もドヤ顔披露、と、この時点からありえないほどに背伸びしまくっている。中森明菜ですら、この路線って「Fin」・「CRIMSON」以降なわけで、それをデビューシングルでトライするって……無謀が過ぎる。 レコードだけ聞いていると、ボーカルコントロールがいささか荒削りながらも(――彼女って基本的に抑揚のつけ方が大袈裟すぎるんだよね)、なかなかいい雰囲気が出ているのだけれども、これに美奈子のキュートでロリータな容貌が加味されると、ナニコレ、と変化。アイドルという器に収まりきらず結果なヘンテコになってしまう本田美奈子の原点ともいえる曲。売野お得意のリゾートモノの詞も手堅く、筒美京平のボーカリストの一番おいしい所を引き立たせるメロディーラインも鉄板、中村哲の時代の半歩先のごりっとしたデジタルアレンジも、いい仕事しているんだけれどもね。個人的には、好きな曲だけど、五年、せめてあと三年後にもってくるべき。カチッとしたブランド服さらっと着こなして様になるキャラなって、そこで初めて活きる路線だよ。ま、本人のどうしてもの希望でデビューシングルとしたのだから仕方ないのだけれども……。このあたり、アイドルのわがままを笑って許しちゃう「高杉敬二プロデュース」の悪い部分が出ているかと。
前作B面の「恋人失格」の路線を今度は表面にしてみました、といった感じ。ゆえにB面「暗闇に緋いドレス」は「殺意のバカンス」風。中森明菜における「スローモーション」と「少女A」の対比のごとく演出しているとみて間違いないかな。これが本来のデビューシングルになるはずだったが美奈子の意向により「殺意のバカンス」差し換え。チアーリーディング風のぶりっ子サウンドにて展開されるのは、不良ぶったり強がってたりしているけれど、根は純で傷つきやすい女の子――というそれこそ「少女A」〜「1/2の神話」以来鉄板のツンデレ売野節。リフの「いじめてあげる」が「意地悪ね、あなた」につながるあたりの手際りよさには感服。いじめられていたのはむしろ彼女の恋心だったのである。美奈子の歌唱がぶりっ子しすぎであざとさが前に出ているのがちょっと難だけれども、及第点。 ちなみにB面「暗闇に緋いドレス」、青春晩期の哀歓を歌っていてこれまた佳曲だけれども「不思議だね/心だけ少女のままでいたいから/こっそりと思い出を/手鏡で見るでしょう」。ここの詞、なかなか凄い。売野先生は、水とか鏡にまつわるものでいいものが多い印象あるな。こっから、当時の一年目アイドルとしてはありえない三ヶ月連続のシングルリリースだったりします。
5万枚の限定のハート型レコードという変則リリース。「I was born to love you」なメロディーに乗せて表現されるは、ただの友達だったクラスメートが恋人に変わる瞬間。お互いが恋心に気づき、でもどうしていいかわからずに、黙りこくって気まずい空気の流れる、そんな海辺デートの帰りの電車のふたり……。もったいないっ。こういう甘酸っぱくって爽やかな青春ポップスを、お客さんはアイドルに求めているんだよっ。晩夏の少年・少女の淡いエスカレーションを描いた佳作だ。夏休み最終日リリースも実にタイムリー。 これを本線にせず限定版にした意味はいったい……。一応「TEMPTATION(誘惑)」ブレイクの導火線という役割をはたしたけども、もうちょっと注目されてもいい曲だよ、これは。美奈子の歌唱も自然体で今までで一番いいところに着地している。 ここで売野雅勇は降板。尻上がりに良くなっていたのにな、ここでおしまいはちょっと惜しい。売野+筒美で85年夏にアルバムつくても良かったよね。B面の「モーニング美奈子ール」は当時のノベルティでよくあったおしゃべりレコード。こっ恥ずかしいっす。
連続リリース、〆の第三弾は新人賞レースに挑む大勝負曲。ここで松本隆にワンポイントリリーフ。中山美穂の仕事とのバーターで筒美さんからのオファーがあって、という逸話もあったりなかったり……。てわけで、ここでの松本隆はあくまで職人。本田美奈子という歌手に惚れ込んでというわけではなく、プロの作詞家として賞レース向けの手堅い売れ線アイドルポップスを作っている。 「青い週末」の自然体路線を継承しつつも(――海辺のロケーションも、同じ世界観かな)、そこに恋人を計算づくしで誘惑する少女の小悪魔ぶりを足し算、とはいえ最後の一線はあなたから……、という「ちょっとエッチなイマドキの女の子像」をきちっと描写しとります。 「美奈子、たまんねーなー」と股間をおぎおぎする同世代の高校生男子の期待にしっかり応えた実に青臭い一曲。この曲で新人賞を総なめし、先行する同期ライバルの斉藤由貴・中山美穂にキャッチアップする。改めて振り返っても、もうちょっとこの少年漫画雑誌のラブコメ風路線、続けるべきだったよね。まだまだ追求する余地あったのに。なのにここで美奈子第一章・正統派アイドル編は完結。
はい、きた。マリリン。86年の第一弾を斉藤由貴がアニメ主題歌(「悲しみよこんにちは」)、中山美穂が化粧品CFソング(「色・ホワイトブレンド」)と、大型タイアップに賭けたのを、相対する美奈子は企画力のみで勝負する!……てわけで「1986年の美奈子はマリリン・モンローを目指す」……もうね、絶句ですよ。ナニイッテルノサ……。 コンセプトはおそらく前年下半期に大ヒットしたアン・ルイス「六本木心中」をアイドル歌謡として再構築する、だったんじゃないかな。つまり、カラオケ栄えする下世話な歌謡ロックのアイドル版。とはいえアン・ルイスの色物スレスレのケバケバ路線を見た目ロリロリで声の線が細い美奈子が後追いってどうなのよ? 計算通りの派手モノアゲアゲナンバーに仕上がっており、歌謡曲ってのはこうだよな、っていう下世話さと売れ売れ感は確かに満載している。歌唱力あるアイドルでも河合奈保子や岩崎良美じゃこれできまい、って、ま、そうでもあるんだけれども、この曲、彼女の個性や良い部分が結集したわけでは決してないわけで、言い換えれば残念な企画モノシングルという見方だってコレ、できるわけで。ま、そんな事言ったらこっから先の美奈子のシングルみんなノベルティみたいなもんなのですが……。歌詞の意味不明さ無内容さもホントいかがなものですよ。ってかさ、クルマのルーフに金のラメ、って、コレ何を描写してるんです? わけわからん。そんな、功罪半ばの彼女の代表曲。この曲で完全に美奈子は何かを踏み間違えた。美奈子第二章・勘違いアーティスト時代、開幕。
秋元康曰く「美奈子はそそる」。この美奈子じゃ勃たねーよ、ボケ。大人が子供相手に勃つかっちゅーのっ。ほとんど子供が大人の真似事して意気がっているのを保護者の眼差しでかあいいかあいいと眺めるのが、なんか勘違いしているこの時期の美奈子の正しい楽しみ方。「東京キッド」時代の美空ひばりちゃんの燕尾服姿とか、ああいうのだよ、この時期の美奈子は。結局のところ、ロリオタあきもっちゃんに汚染されたのが美奈子の最大の敗因だったのかもしらんなぁ……。 閑話休題。そんな、マリリンからはじまった≪うっかりセクシー≫第二弾。筒美お得意のラテン歌謡だけれども、これは美奈子がボス・高杉敬二に出逢った時、披露したと言う中原めいこ「君たち・キウイ・パパイヤ・マンゴーだね」あたりが着想になっているんじゃないかな。ぶっちゃけ「君たち〜」みたいな曲をというオファーがあって、この曲できたのかな、と(――美奈子は、中原めいこの曲もあうよね、どっかでオファーすればよかったのに)。 ザ・無内容な秋元康の歌詞と、歌番組でのへそ出して板の上でごろごろねっころがってカモンカモンな美奈子の残念さが、職人・筒美京平のいい仕事っぷりをかき消しています。もうちょっとやりようあったよね。中原めいこラテン風で行くなら「やきもちやきルンバボーイ」みたいな、美奈子の能天気なコケッティーが出せる曲で攻めて欲しかった。似非セクシーでなく。
さらに明後日方向のヘビメタ歌謡。セクシーさに不良性とワイルドさを加味してみました、ってことなのか。トゥーマッチ。裏ジャケのバイク並べた暴走族風の写真も、なんだかなあ……。一層唸りをあげるボーカルも、どこへ行きたいのか、行先不明。後に(――といってもここからわずか四、五年後)美奈子本人が、マイクスタンド風でいてマイクスタンドではない謎の小道具振り回して歌いまくる自身の「HELP」の歌唱映像を見て、「恥ずかしい」とのた打ち回っていたところから見るに、後にやりすぎたと自省したのだろうけれども、やる前に気づいて欲しかったよ、美奈子。 それにしてもサビが「ラッタッタ」って……本当ひどい、ひどすぎる。実の一切ない、ただのサウンド・ノベルティー。B面「TOKYO GIRL」の詞も「田舎者の夢みるアーバン」って感じで……なんかさぁ、ほんと、秋元さんよぉ。和製マドンナの名は私のものとばかりにレベッカの名曲「London Boy」に向こう張って、このタイトルなのかもしれないけれども……。ちなみにマリリン以来ここまでへそだし衣装を貫いております。こういう無意味な律儀さというかサービスにならないサービス精神が、実に美奈子らしい。
美奈子の≪うっかり海外コラボ≫第一弾。いっぱいお金払って曲作ってもらったお、って、だからなんでゲイリー・ムーアなんだよ。誰も本田美奈子のファンでそんなの求めてないよ。初のじっくり聞かせるバラードシングルで、それに見合った本格派な作りではあるのだけれどさ、本格派過ぎて、アイドル美奈子のファンには取っ掛かりがなさ過ぎるちゅーの。そもそも聞かせる歌だと、美奈子のなんちゃって臭がいよいよ強くなるというか、やっぱ、背伸びに過ぎないんだよ、この歌も。これで「美奈子スゲー」って思うほどファンは能天気じゃねーだろ。 彼女本人が歌ってしっくりと馴染む、等身大の歌が一番。彼女の気持ちがすっと入って初めてそこで聞き手も自然と感情移入するんであって、さ。やるならこの時期の美奈子は「Hard to say "I love you"」のラインが限度。 86年の美奈子は年頭の「1986年のマリリン」でぐっと売上を伸ばしたものの、結局終わってみたら、急激な右肩下がりで年末には前年末の以下の成績まで落ちている。企画屋・秋元康の主導によるセクシーという名の劇薬の副作用とアーティテスト病の罹患によって完全におかしくなってしまった美奈子なのであった。
このままHM/HR路線で行くのかと思いきや、トートツにポップス回帰。これはいい。ざっくりいえば、これは後に「ガールズポップ」と呼ばれる世界。聞き手に恋情をそそらせるのではなく、共感を求めるティーンネイジ・ミュージック。中村あゆみ「翼の折れたエンジェル」を嚆矢に、レベッカ・渡辺美里・プリプリ・永井真理子・リンドバーグなどなど、90年代初頭に隆盛を極めた一群のラインね。ぶっちゃけこれって、歌謡曲がJ-POPに変質するに伴って、アイドルポップスのありようが変わっていったその顕著な一例だと私は思うのだけれども、美奈子は、意外とこの路線があっていた。色恋を歌のメインに据えるとやたらくねくねして「なんちゃってセクシー」になりがちな美奈子だけれども、青春の痛みを歌った作品はデビュー時点からそれなりの実があって悪くないのだ。恋愛スキャンダルほぼ絶無のまま人生をまっとうした所から見て本人自体にそういう欲求が希薄なのだろう。 ここで売上を大きく戻したのも、TBS系ドラマ「パパはニュースキャスター」主題歌起用でのヒットという一面もあるけれども、そもそも彼女にこういった世界を求めていたファンが多かったのではなかろうか。無論、当時の彼女がやりたかったことは、勘違いアーティストで勘違いロックだから、このラインはすぐになかったことになってしまうのだけれども、続けていたら、その後の本田美奈子はまったく違うアーティストに成長していたのではなかろうか。 テレビ番組では「美奈子はチャップリン」とか何とかいうて、ステッキ片手にありえないヘンテコ衣装で歌ったり、ランキング2位まできて「絶対1位取りたい」と公言、野望をめらめらさせたり(――彼女ほどあからさまにチャートを意識した発言をするアイドルってのも珍しい)、この曲でも相変わらず通常運転な美奈子だったけれども、ともあれ、この年のBaBeのヒット曲「I Don't Know」ともにアイドル側から提示された「プレ・ガールズ・ポップ」として記憶に留めておくべき一曲だ。
ついに、UKデビュー!! な、≪うっかり海外コラボ≫シングル第二弾。プロデュースはクイーンのブライアン・メイ。12インチサイズでのリリースとなった。この曲は、海外モノの最大の特徴「サビが立ってない」これにつきる。ブライアン・メイって名前を外して曲だけ見た時に、シングルで勝負すべきものかどうか、ていうさ。ひとまずコレ、日本での売れ線ではないぞ。 間奏、美奈子の「かっとんでいこうぜ」の雄叫びに象徴されるように、例のごとく本人だけが空元気で、実が伴っていない。夜ヒットでの、歌い始めいきなりカツラを取って「ばっさりショートカット」初披露も、驚きではあったけれども、なんつーか、こういう企画っぽいこといつもやってて目が慣れるっちゅーか、美奈子だしねー、で終わってしまうというか。サビの、舞台の上で寝っ転がって足を蹴り上げる振り付けも、フツーのアイドルでは驚きだけれども、美奈子の場合、「Sosotte」の焼き直しね、で済まされてしまうというか、過ぎたるは及ばざるが如し。 一方、カップリングで、かつUK盤ではこちらがA面だった「Golden Days」これは傑作。黄昏時の静寂。悠久の時と響く鐘の音。人の営みとその無常。欧米人のイメージするオリエンタリズムを音で表現したらこうなりました、といった佇まい。なんでリリース当時はこちらをもっと押さなかったのか、もったいない。こちらは美奈子の死後ブライアン・メイがリメイクしたことによって脚光を浴び、最近のベストでは割と収録される方向です。
アルバム「OVERSEA」と同日発売。≪うっかり海外コラボ≫三部作の最後を飾るはマイケル・ジャクソンのパパプロデュースによるセクシー路線。美奈子の海外路線はブリティッシュ・ロックで攻めるのかと思ったら、ここでロサンゼルスでブラコンかい。美奈子のスタッフ、ホントなんも考えてないな……。 マイコーと一緒に写真とってもらって、バブルス君抱っこして、ジャケットまでプレゼントされて、美奈子良かったね。以上。としかいえねーよ……もう。必然性皆無。結局、美奈子の海外進出ってドラ娘の道楽海外ツアーでしかなかったんじゃなかろうか。ボス・高杉敬二は本田美奈子のことを世界規模のアーティストになりうると踏んで、このような勝負でたんだろうけれども、残った作品から判断すれば、その姿勢、愛娘に過分な教育を施す親馬鹿となにが違うのか、と。美奈子がどれほど本気であっても、これは莫大な金をつんだバブリーなお稽古事でしかない。戯事に付き合うほどお客は甘くない。 ちなみに今回のジャケット、リバーシブル仕様になっていて、裏にひっくり返すと「SNEAK AWAY」がA面風のデザインになっている。「SNEAK AWAY」はあくまでB面扱いではあるのだけれども、東芝のヘッドホンステレオ「ウォーキー」CFソングというタイアップあり、また歌番組の披露もあったり、と、準A面的に扱いといったところになっている。
唯一の主演映画「パッセンジャー」主題歌。映画は、原作・制作総指揮が「宇宙戦艦ヤマト」シリーズの西崎義展という情報だけで地雷臭プンプンのしょーもないモノだったけれども、この歌は残る。 ラブソングというよりも、同士愛に近いノリ。骨太で男義に満ちた、いわゆるバディモノだが、これはアイドルソングではほぼ絶無のフィールドといっていい。篤すぎる友情にも似た熱い愛、それは中島みゆきの名曲「二隻の舟」にも通じる世界観を持っている。「力尽きて倒れた時は/肩を抱き起こして/叫ぶように名前呼び合うの」の部分の暑苦しさはやりきってむしろ潔く、感動的ですらある。癖しかない美奈子の歌唱も、ここにおいてひとつの表現として昇華している。サビの「I wanna hold your heart」のシャウトも突き抜て爽快だ。ここに青春の汗と涙が滲んでいる。 残念ハードロックがほとんどであった本田美奈子にあって唯一の収穫と言ってもいいだろう名曲。すっかり忘れ去れているが、これは残して語られるべきかと。「つばさ」「アメグレ」「マリリン」もいいけれどもね。
ふたたび唐突に路線変更。「殺意のバカンス」の後日談と言ってもいいような、続編的シングル。夏のリゾート地で束の間の恋に溺れたふたり、季節は巡り秋の舞踏会での再会に――、というもの。ブルジョワのお高い空気感が満載。 ミディアムテンポに乗ってルーズに優雅に恋に漂う美奈子、意外とこういう方向の背伸びは決まるんだよね。明菜かナンノかといった風なスカートの裾がぶわっと広がったゴージャスなロングドレスもなかなか似合っていた。タキシード着たダンサーとの掛け合いのような振りつけも、いつものやりすぎ美奈子ではあるんだけれども、わりと正解な演出かと。ロックは諦めて今後は中森明菜っぽいアダルティーなポップスを目指すのかと思ったらさにあらず。ロックバンド結成してしまうのであった。この方向間違ってなかったのになぁ……。 美奈子のシングルは、明朗アイドルポップ(「好きと言いなさい」「Temptation」「One Way〜」)、アダルティームード歌謡(「殺意のバカンス」「悲しみSwing」)、似非ロック(「HELP」「the Cross」「あなたと熱帯」)、なんちゃってセクシー歌謡(「Sosotte」「1986年のマリリン」)の四つのタイプに分類されると思うけれども、これが前後の関係なく、アトランダムにリリースされるのが、最大の特徴といえる。 87年の美奈子のシングル展開にしても、86年から一転「One way〜」「孤独なハリケーン」「悲しみSwing」となかなかイイモノも残しているのだが、バラッバラって過ぎて、線に繋がらず、結果沈没としか映らないが、つくづく残念。 まったくどれだけファンを振り回せば気が済むんだ。ドMでないとファンはついてけないお……。
88年3月、MINAKO with Wild Cats 結成。んで待ちに待ってようやくリリースされたのがこれ。って、だっからさぁ、なんでいちいち「企画」で逃げるかなあ。ワイルドキャッツの第一弾で、盛り上げなきゃいけない、そりゃわかるけれども、そういう底のみえた企画に逃げるから、お客に舐められるんだよ。いい加減、まっとうな歌手としてまっとうに勝負させてあげなって。そんな説教すら出てくる、やっぱり残念シングル。 意味のない言葉遊びと、ノーテンキなメロディーの織り成す、世間的にあってもなくてもいいような曲。20歳も過ぎて、いい加減実のある仕事やらなきゃいけない時期だっつうのに、何やってるんだよ美奈子はっっ!! そもそも、本田美奈子ってコメディーセンスがないから、忌野キヨシローの無邪気な雄ガキの悪ふざけ的楽曲をあてがってもただお寒いになってしまうんだよね。あと、もう、美奈子、セクシー禁止。何回セクシー路線に突っ走って爆死すれば気が済むんだよ。いい加減気づいてよ、ガラじゃないってさ。 ちなみにアレンジの「パラダイム・シフト」とは松下誠を中心にスタジオミュージシャン達で結成されたバンド。彼ら名義のアルバムでは、プログレとフュージョン足したようなすげぇカッコいいサウンド作ってるのに、ああ、なんでこんな泥臭い音作りさせられてるのだあっっ、勿体無い勿体無い。
アルバム「WILD CATS」からのリカット。「Full metal armor」のタイトルを変更(――って松本隆センセー、同じタイトルのシングル早見優でもあるよね……)。もはや体育会系、ただひたすら暑苦しい美奈子、だがそれがいい(ニカッ)。 歌は世紀末ヒロイックファンタジー・ハードロック歌謡とでも言えばいいのか、ほとんど「北斗の拳」の世界だが、コブシとコブシで語り合う世界ってのも、意外と美奈子と親和性あるんだよね。彼女も頭で考えるより先に、体ごとぶつかっていくタイプだからさ。いきなりのロングトーンシャウトにはじまって、全てやり切っている。「カシスの実」とともに、数少ないワイルドキャッツの成果のひとつともいえる曲だが、売上はまったく伴わなかったのは、残念。てか、アルバム発売から三ヶ月以上経ってのリカットってそもそも意味あったのかね。
アルバム「豹的」の先行シングル。男は高慢な女だと悪く言うけれども私ただ自由なだけよ、と、ま、わりと詞はいつものセクシーラインなわけだけれども、歌唱はそれまであった暑苦しさが抜けている。ただそれが美点となっているかというとそうでもなく、どこか空虚さが漂う。覇気がなく、取り立てて悪いところもないけれども悪い意味で右から左に流れる。取っ掛かりがないことこの上ない。「豹的」からのシングルカット、わたしだったらひたすら暑苦しく熱唱する「Surrender」か、いっそビートルズカバーの「HELTER SKELTER」で顰蹙を買った方が、美奈子らしいかなと思うんだけれども。これにてワイルドキャッツ、なし崩し的に解散。 それにしても。手当たり次第に喰い散らかしては、中途半端にほっぽりだして、アイドル時代の美奈子はしっこしがないなと、苦々しく思うことしきり。海外進出にしても、ロックにしても、本気でやるなら意地でも喰らいつけよなー。遊び半分でちょっと齧ってうまみがないから、ハイ、サヨウナラ、って舐めすぎにもほどがある。本気で取り組んでいる人に対して失礼この上ない。
タイトル、ナニコレ。駄洒落? また美奈子やっちまったのかと曲かけてみると、案外フツーなのね。「M'シンドローム」収録の「CHARLIE」に近いテイスト。つまりほっこりして悪くはないが、あえてシングルにする意味は感じられない、そんな一曲。B面クラスだよ、これ。ソロに戻ったとはいえ、いまいちやるべきことが見えずいまだ迷走、そんな一曲。とはいえナチュラルメイクのジャケット写真はよく、これだよこれと。 歌番組でも自分の年齢に見合った衣装――なかには友人・南野陽子と一緒にスタイリングした衣装もあった――でよく、ビジュアル的にはいい方向に向かいつつある美奈子であった。 ちなみにタイトルを読み解くと、「愛に恋」はCFタイアップとなった「オートラマ」(「フォード」の自動車販売網ブランド、今はない)の設立以来のキャッチコピー。んでもって89年で「オートラマ」が開業七年を迎えた、と。つまり「七年目を迎えたオートラマに来てね」てタイトルだ、と。はい、そこ、しょーもないって言わないように。ま、秋元センセーのやっつけ仕事のひとつですな。
うん。これはなかなか。「Sosotte」以来のラテンモノだけれども、詞に過剰な仕掛けもなく、ボーカルも以前のような力みが抜けて自然体に近くなりつつある。まだビミョーな癖は残っているものの、これくらいならポップスでは個性として認められる範疇かと。「M'シンドローム」から久々登板の中崎英也も、歌謡感溢れたいい曲書いてる。謎の外人ダンサー引き連れて、いつものセクシー路線の一環ともいえるけれども、程よい年齢相応のコケッティーが漂っており、磐石の仕上がり。なんでこれをアイドル全盛期にやれなかったんだ、と。 とはいえ、ここで数字を残せず、完パケまで仕上げていたオリジナルアルバムはお蔵、この年の年末には衝撃の演歌転向宣言をする美奈子。いったいどうなることやらと殆ど呆れる寸前、ミュージカル「ミス・サイゴン」の主役抜擢となるのであった。ここで首の皮一枚繋がった美奈子だったが、果たしてこのラッキーがなかったらいったいその後の彼女はどうなっていたのだろうか。考えるだに恐ろしい。
レコードアーティストとしては実質再デビューといってもいい、マ―キュリー移籍第一弾シングル。87年に邦楽セクションを廃止した日本フォノグラムがレーベル名をマーキュリーと名を換え再始動、それにあたっての目玉アーティストのひとりとしてピックアップされたのが本田美奈子だった。てわけでそりゃもう力入るよね。タイアップは本人出演のオッペン化粧品のTV-CF。 「ミス・サイゴン」との連動で作詞は大御所・岩谷時子を迎え、作曲と編曲はどちらかというとアニメ・舞台色の濃い佐橋俊彦と太田美知彦のおふたりという布陣。シンプルで、いい意味で古いよさの漂う、器の大きいポップスに仕上がっている。 難しい言葉の一切ないやわらかい岩谷の詞と佐橋の雄大なオーケストレーション、そして、美奈子の飾りのない伸びやかなボーカルは、晴れ渡る大空を滑空するかのよう。美奈子の声があらゆる境界を越えてどこまでも広がってゆく。本田美奈子というのはこんなにもスケールの大きな歌手だったのかと、刮目とすること必至。今や彼女を語る上で定番となった30秒の超絶ロングトーン(――実はこれ、譜面にはなかった美奈子のアドリブ)も、美奈子的ないつもの過剰な発奮ではあるのだが、アイドル時代のように作品中に浮くことは、ない。自然とサウンドの空気に馴染んでいる。「ミス・サイゴン」千秋楽から休むまもなくはじまった再デビュープロジェクト、歌手・本田美奈子のやり直しはこの一曲で成功したといってもいい。 それまでの美奈子のシングルは、コンセプトという形をとりながら、どこか歌に対して斜に構えているようなしゃらくささが常に漂っていた(――それは美奈子本人の、というよりも周りの大人がいけなかったのだろうね)。しかしこの曲において、美奈子は歌を自らのど真ん中に引き据え、堂々と対峙している。迷いの一切ないその姿は潔く、聞くものにすがすがしい感動すらを与えている。 とはいえ、この曲、地味ながらロングセラーとなったものの、当時さほど話題にならなかったことも、敢えて付記しておく。例のロングトーンも、生前取り立てて語られることはほとんどなかった(――ネット上でこれ最初に言い出したのはわたしがだったんじゃないかな?どうだろ?)。レコードセールスとまったく関係ないところで、リリース直後から亡くなる直前に至るまで、コンサート、イベント、テレビ番組と、美奈子が地道に歌い続けていた、その成果が逝去後に実り、後期の代表曲として格上された、というのが実情である。多分彼女の死がなければスポットライトを浴びることはなかった楽曲だ。なぜこの曲に美奈子はこだわったのか。「これこそがわたしの歌だ」という強い確信がそこにあったのか。あるいはアイドル時代に色んなジャンルの歌をリリースしていてはその場かぎりで使い捨てしていた反省がそこにはあったか。真相はわからない。
アニメ『魔法騎士レイアース』EDテーマ。タイアップ効果もあって売上では「ONEWAY GENARATION」以来の10万枚突破を記録している(――同タイアップの田村直美「ゆずれない願い」がミリオン突破したので、もっと行くんじゃないかな? と当時の私は思ったんだけれどもね。タイアップヒット全盛でもあったし)。 この曲のキモは、間奏と後奏の菅野よう子ライクなクラシカルなシンセストリングスとオペラ調のハイトーンスキャットの挿入。地声で歌っていたのがいきなり「のわあー――っ」と歌いあげる美奈子。この無茶すぎるボーカルのシフトチェンジ、ここに美奈子イズムが結晶している。いかにもアニメソングらしい壮大さが醸出されてもおり、これは作品としても「アリ」な無茶だ。 逝去後にようやく世間に認知された、ポップスとクラシカルなサウンドとの融合による本田美奈子の世界。それは実に92年の「ミス・サイゴン」主演から始まり、この時期既にあらゆる部分で表出している。「風のうた」「つばさ」「impressions」などなど、それらの一群で一番ポップス寄りの方向に針をふって成功したのがこの曲といえるんじゃないかな。
アルバム「晴れときどきくもり」からのリカットシングル。タイトルからわかるようにテーマは同棲。ハッタリ効かせまくった本田美奈子のシングルにあってこの自然体は出色。特に大きな仕掛けはなくドカッと売れる曲とはいえないけれども、落ち着いた世界観に共感できる人は多いんじゃないかな? 個人的には「晴れ〜」からの宮沢作品は「かげろう」が一番よかったような気もするけどもね。二作続いてタイアップ付の派手目の曲となったので置きに行ったのだろう。
またまた「晴れときどきくもり」からのリカット。同棲と来たら次は結婚ってことなのか?そうなのか? 楠瀬誠志郎とのデュエットで、TBS系で放送していた集団お見合い番組「ウェディングベル」のエンデイングテーマと、かなり狙いすました作りだが、ここでオリコン週間100位ランクインから陥落。「関白宣言」とか「部屋とワイシャツと私」とか、当るとデカイ結婚ソングだが、その枠には滑り込めなかった模様。 ふたりの歌唱力頼みの楽曲で(――特に楠瀬誠志郎のキーおもっくそ高くて、フツーの男が出すのはほぼ不可能)、カラオケ需要を満たせなかったのが、敗因か。 「地球が消えてもふたりの愛は消えないわ」と詞が思いっきり「愛の讃歌」風なのは、ご愛嬌。ちなみにこのシングルのリリース日、何の因果か本田美奈子の命日だったりもします。
バンダイ・エンターテイメントからリリース。96年のオートレースのキャンペーンソングであり、そしてよもやまさかの「作曲・本田美奈子」。しかも意外と悪くないぞ。 これはキーボード弾いたりタンバリン叩いたりとミュージシャンとしても積極的に参加した前アルバム「晴れときどきくもり」の成果とみていいだろう。 アイドル時代だったら、ドヤ顔で力みまくって歌い倒すだろうところを、程ほどに力を抜いて、癖をつけずまっすぐ歌っている。ここに歌手としての経験値の差があらわれている。 その後MDダウンロード販売する「満月の夜、迎えにきて」や「Honey」と同じ系譜にある大人のクールなディスクチューンに仕上がっている。タイアップ付でアルバムリカットでもないのに、これでオリコン100位以内ランクインせずとは残念すぎる。 以降、レコードアーティストとしてはふたたびリリースの途絶える暗黒期となるが、ミュージカルの活動は継続。歌手として研鑚を続ける彼女であった。
TVアニメ「ハンター×ハンター」EDテーマ。ひさびさの新曲でひさびさのアニメタイアップなのだが、売上はふるわず。だがこれはいい。サウンドコンセプトとしては97年に米良美一が歌い大ヒットした映画「もののけ姫」主題歌に近い、クラシカルポップス。アコースティクギターとパーカッションの音色が広大な大地を、管弦の音色がそこに吹き渡る風を想起させる、大きなサウンドだ。 詞はアニメの主人公たる少年たちを見守る母の視線で作られている。ひら歌では愛児を胸に抱き包み込むようにやわらかく歌い、一転サビで旅立つ少年たちを見送るように、力強く勇壮に、しかし一抹の寂しさをたたえて、と、美奈子は見事に歌い演じている。「命をあげよう」を端緒に、活動最末期のクラシカルクロスオーバーの諸作品に到る、壮大なオーケストレーションをバックに、美奈子のしなやかな母性を表した作品群のひとつといっていいだろう。 ちなみにここより三作は、アニメ・ゲーム系レーベル「マーベラスエンターテイメント」より発売、これは移籍というより、リリースごとのワンショット契約と見るのが正しいだろう。そもそもマーベラスはアーティストを囲っているレーベルじゃないしね。99年は坂本龍一「energy flow」のミリオンセールスに象徴されるように、現代音楽・クラシック色の強いサウンドがヒット曲としてメジャーフィールドにいよいよ踊り出た年でもあった。定期的なリリースにまだたどり着けないが、時代の風は少しずつではあるが彼女の方向に吹き始めていた。
青山劇場での久々にコンサート「歌革命」とともに15周年記念と銘打って発売されたマキシシングル。一転ふたたび綺羅綺羅しいポップスだが、美奈子はほんの少し斜に構えて歌っている。この熱くなりすぎない距離感が心地いい。サウンドもオンタイムなダンスミュージックでなつかしのアイドル然とした佇まいはない。きちんとポップスとして同時代的に勝負しているのが好印象だ。美奈子のボーカルは、この時期においても線が細く高音部がヒステリックに響いてしまうのが、クラシックの王道を突き進むには惜しいのだが(――これは亡くなるまで解消されることはなかった)ポップスのボーカルならば充分個性としてアリの範疇。カップリングの「一瞬/永遠」はこれまた「地球が壊れても離れはしない」と愛の讃歌路線で、こちらは美奈子の熱唱が楽しめる。さらに尾崎豊のカバー「I Love You」では久々に猫がごろにゃんと転がるようなぶりっ子歌唱を披露。3曲でそれぞれ歌唱スタイルを変えているのが面白い。 プロモーションは囲み取材コミのインストアイベントくらい(池袋の今はなきHMVで行われた、行きましたよ、ええ)で、15周年を記念するにはいささか寂しいものだったが(――記念アルバムも製作中とアナウンスはあったがリリースされることはなかった)、売上や人気といった目に見える形での成果に急がなかったのが、この時期の本田美奈子。アイドル時代の失敗がよほど身に染みたのだろう。この時期の彼女も不遇ではあるのだが、きちんと腰が据わっている。 本田美奈子のディスコグラフィーに「Honey」の次シングルとして「星空」(01.01.24)がリリースされたと明記されているものが多いが、これはPSゲーム「Dig of Bay」で使用されたキャラクターソングをシングルカットしたもので、影山ヒロノブ・櫻井智・横山智佐など、本田美奈子以外の歌手による曲も収録されていたり、と、ちょっと正規のシングル曲といいがたいのでここでは割愛する。ぶっちゃけいい曲でもないし。
アニメ「明日のナージャ」主題歌。メロディーは実にわかりやすく、マイナーとメジャーが交錯し、その度に美奈子の歌唱も、センチメンタルに後ろを振り返り、また前向きに躍動し、と変化。ミュージカルで培った演技力が遺憾なく発揮されている。この、歌の世界をあくまで演じている、といった佇まいは、「私が私が」と押し付けがましかったアイドル時代には決してなかったものだ。ボーカル自体も、アイドル時代の虚勢とは違い本当の意味で自信に満ちた、脂の乗っていたボーカルで(――同時進行で制作していたクラシカルクロスオーバーのアルバム「アベ・マリア」の仕上がりに確かな手応えを感じていたのだろう)、実にいい。 詞も難しい言葉をつかわず平明で実にわかりやすい。ストリングスを全面に押し出しながらもアニメチックにキラキラとしたサウンドメイクも、懐かしく慕わしい。今となっては稀有な、大人が子供に向かって話し掛けるような、清く正しい健全な昭和風味のアニメソング。なんでこういう歌、なくなったんだろ。佳曲だ。
クラシカルクロスオーバー期、唯一のシングル。小学校の下校時刻に流れる超定番クラシックを美奈子作詞で表現している。限りある時と永遠に続くこの世界、その狭間で生きる私たち。半年後に発売されたアルバム「時」の世界観を象徴する一曲であるが、末期の眼差しのようにも聞こえる。 歌唱もどこか祈りのニュアンスが強く、葬送曲然とした大きな佇まいだ。無論、病の発症はこれよりほんの少し先なのであるが。美奈子は近未来の自分を予言してしまったのだろうか。 これがラストシングルというのも因果な話だ。ちなみに故郷・朝霞駅前に作られた本田美奈子の記念碑からはこの曲が流れる。 ≫≫≫≫≫本田美奈子 全アルバムレビュー へ
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