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明菜よもやま話  その8

もう1つの指輪物語+オチ付き


86年夏、近藤真彦が当時の恋人、中森明菜に指輪を贈ったという噂が芸能マスコミに流れた。
近藤はそれを否定したが、噂からしばらく後、中森明菜の左の薬指に輝く指輪をテレビの視聴者は見ることになる。
ルビーのような赤い石の嵌った指輪―――1時期、明菜はよくその指輪をつけてテレビで歌っていた。
当時の明菜は歌う楽曲ごとにコスチュームやヘアスタイル、メイクに至るまで微細なコンセプトを立てて歌に臨んでいたのだが、 その彼女にあって何故か指輪だけは変えることもなかった。それゆえにその指輪は不思議なある意味を視聴者に与えていたように私は感じていた。
彼女かその指輪をはめている時とそうでない時、それは些細な違いに過ぎないのだけれど、その些細な違いが彼女の心にあるひそかななにかを表している、そんな気がしたのだ。

89年、明菜は自殺未遂事件というスキャンダルを起こし、その後近藤真彦と別れることになる。
そして、彼女の左の薬指に赤い指輪が光ることもなくなっていった。
が、その後しばらく経って再びその赤い指輪を私は見ることになる。
93年12月「ザ・ベストテン同窓会」。共演者には近藤真彦がいた。
明菜の左の薬指にはあの赤い指輪が光っていた。
黒柳徹子はその指輪を見るなりあっと驚いてこういった。
「この指輪の意味は……?」
明菜は「いや、特に意味はないです」とすげなく返した。
そのトークの後、明菜はアコースティックバージョンの「セカンドラブ」を歌唱。
はるか昔の幼い恋を追想するような明菜の歌唱を聞いた黒柳は「なんか涙ぐんじゃう感じで。明菜ちゃんもそうだけれど、いろんな事あったなぁって、みんなもそうだけれど」といいにくいことをいわんと奥歯にモノの挟まったような言葉をいい、 次の歌唱の近藤真彦は思わず歌い始めをとちってしまう。それを明菜は「あっ間違えたぁ」と昔の頃のように思わず囃したてて、困ったおもわず近藤は口篭もってしまう。
それが私がその指輪を見た最後であった。

明菜は29歳の時、それまでとっておいたほとんどの舞台衣装を処分したという。その時にその指輪も手放したのだろうか。
明菜が29歳、1994年である。近藤真彦が結婚したのも1994年であった。




ここまで書いて確認のために93年の「ザ・ベストテン同窓会」のVTRを確認してみたら……、あれっっ、明菜赤い指輪してねぇ―――っっ。
確かに明菜の薬指の指輪の話題になったけれど、見るとダイヤの指輪。赤い指輪嵌めていたのは黒柳徹子でした。
あららららら。

…………はははは、いやあ、俺も妄想が過ぎるね。
あるひとつの物語としてこれほどいいものはないと思ったんだけれども、妄想でした。
ということでそんなこんなで今回は嘘テク。グラディウスの無限オプションみたいなもんですわ。


2004.07.28
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