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南野陽子 in 「ザ・ベストテン」


アイドル時代は女優と歌手の二足のわらじで多忙を極めた南野陽子。
そのなかにあっても「ザ・ベストテン」は自らの携わった番組の中でもフェイバリットのひとつのようだったらしく、 ランクイン時はほぼ必ず出席、入院時にもわざわざ病院からスタジオにかけつけるという根性を見せてくれた。 また毎回自らがデザインするという衣装も曲ごとにコンセプトを定めて、視覚的にも視聴者を楽しませていたし、 さらに番組に慣れてくるとセットのアイディアを自ら提案したりと、 ただ出演するだけでなく、積極的に番組に参加していたようだった。

南野陽子の「ザ・ベストテン」のチャートアクションの特徴は、とにかく「有線」が弱い、これにつきる。 元々有線要素は女性アイドルにとって鬼門だけれども、こと南野陽子はそれが際立っている。 ランクイン12曲、総登場週58週のうち、「有線」チャートがベストテンにインした週はなんと一週もない。 南野陽子を含めて当時「四天王」といわれた中山美穂・工藤静香・浅香唯と比べてもダントツに弱いし、斉藤由貴や本田美奈子なども大ヒット曲では有線チャートが動いているのを、 ナンノの場合は他の要素がどれほどよかろうとも、ぴくりとも有線が動かない。 じゃあ、熱狂的なファンに支えられてレコードをセルしていたタイプの歌手なのか、というと、そうともいいきれず、 熱狂的なファンの数の指標ともいえる「はがき」部門も、とりたてていい動きをしない。 よって、レコードチャートが下がり始めると、どうも総合チャートでのふんばりがなかなかきかず、あっけなくベストテン陥落してしまう傾向が強い。 彼女の最高得点作品は「はいからさんが通る」で71183点。やっぱり他のアイドルと比べると少ない点数。 このナンノのチャート傾向に一番近いのを他のアイドルで探すとなると、菊池桃子がそれにあたるかな。



 さよならのめまい (85.11.21/最高 21位)
86.02.06

第21位

南野陽子の「ザ・ベストテン」初登場は、スポットライト。 トークは「南野陽子の人生設計」。"23歳の誕生日の日にプロポーズしてくれた人と結婚して、24歳で舞子ちゃんを産んで、26歳で達也くんを産んで、70歳で旦那さんがなくなって、73歳でわたしが死ぬ"ていう、いつものアレ。 セットは、スポットライトのいつものごとく、オケ前。
衣装は白いワンピース髪を白いリボンでむすんで右肩から前に流している。 アイドル時代の衣装のほとんどを自らデザインしていたナンノ。 エレガントでみごとなものから、トンデモなもので、いろいろあったけれども、デビュー当時はおとなしめなものが多い。 ちなみに、この回の1位の少年隊「仮面舞踏会」は別撮りのVTRと合成した「ウェストサイド物語」風の演出だったのだが、南野はその演出にとても驚いたのだそうだ。


 悲しみモニュメント (86.03.21/最高 10位/1週/35196点)
86.04.10

第10位

レ:8 有:−
ラ:− ハ:10

6266点
南野、「ザ・ベストテン」初のランクイン。 話題は、毎日日記を書いていること、左利きであること、目がきょろきょろしながら歌っているから気をつけて母にいわれたこと、などなど。 衣装は、白の水玉のリボンをまいた黒い帽子に黒い手袋、白い半そでのワンピースに黒のサスペンダーと黒いスカートを重ねている。 セットはまたまたオケ前。
ちなみに、この回、奇しくも南野の堀越高校時代のクラスメートで友人の岡田有希子の死の直後の回でもある。番組最後、黒柳徹子が二分弱、彼女への追悼の辞を述べるのだが、沈んだ表情の南野陽子と中森明菜の姿が一瞬うつる。


 接近 −アプローチ− (86.10.01/最高 6位/2週/31823点)
86.10.23

第6位

レ:6 有:−
ラ:− ハ:−

6227点
「風のマドリガル」は最高12位でランクインせず、1回目から半年ぶりの2回目。 歌番組で後輩アイドルにあっても緊張して話しかけられないという話、 年配のファンが多かったが、近頃は同世代のファンも増えたという話、当時西武の清原選手が南野陽子のファンだという話、などなど。 清原から、野球の話にいくと、相変わらずとんちんかんなことを言い出す黒柳さん。 「ヒットって、ヒット曲出してもこういう歌番組にでられないんですか」……って。 南野は、ボタンがいっぱいついた黒いフェミニンなスーツに、髪を後ろでひっつめて、つばのあまりないソフト帽子にリボンタイで、どことなくバスガイド風。 セットはまたまたオケ前。
86.10.30

第6位

レ:8 有:−
ラ:8 ハ:−

6425点
トークテーマは、またまたいつもの「23歳で結婚したい」話。母が未年でわたしも未年なので、子供も未年がいい、だから23歳で結婚して、24歳で子供が産みたい、んだって。 また母から「部屋はあまり綺麗にし過ぎないように」といわれている、という話も。 部屋が綺麗だと陽子らしくない、誰かお客さんが来ているのでは、と気になる、のだそうで。 「ま、乙女だわ☆」といえなくもないけれども、後のへんてこりんな彼女の片鱗がここにもうすでにある、ともいえるかも。
衣装は、前回のバスガイド風の色違いという感じ。赤い服、赤いリボンに赤い帽子。 今回はセットあり。後ろで動物の着ぐるみが小芝居をしているのだが、それを全部影絵にしてみせている。


 楽園のDoor (87.01.10/最高 3位/8週/68411点)
87.01.22

第3位

レ:1 有:−
ラ:− ハ:4

7799点
ナンノのほくろの話。 ほくろ占いによると、ナンノのふたつのほくろは、周りの人とうまくいかなかったり、損をしたり、迷惑をこうむったり、とあまりよくないのだが、 口の下のほくろは大きくてはっきりとした「生きぼくろ」。「生きぼくろ」はマイナス面もプラスにもっていく力をもっているので、周りの人々が積極に協力してくれることも多い、んだそうだ。 これ、結構あたっている、かも。毀誉褒貶がはげしいもんな、ナンノさん。
衣装は、本人がメーテル風といったビロード地で、つめ襟の部分だけ白の、スミレ色のスーツに、頭にちょこんと乗せた同色の帽子と薄絹のコサージュ。 セットは、白い大きな木をバックに、白い椅子とテーブルで、冬の夕暮れのカフェテラス風。一番は椅子に座っての歌唱、二番になると階段をおりて、スモークをまいたステージで歌唱。
87.01.29

第3位

レ:2 有:−
ラ:− ハ:4

8093点
渋谷東映、映画「スケバン刑事」の試写会を終えたばかりのところを中継。ナンノはセーラー服姿で派手な立ち回りをみせる。さらに浅香唯、大西結花もちらっと登場。 そのまま南野は、ファンで満席の観客席の通路を練り歩きながら歌唱。 親衛隊の「L・O・V・E」の野太いコールが、いかにもな感じ。 ナンノは、途中、観客と握手したりと、サービス精神旺盛です。
87.02.05

第5位

レ:8 有:−
ラ:7 ハ:5

7125点
なぜかC-C-Bの渡辺さんが遊びにきて、ひとりで勝手に盛り上がっている今回のベストテン。 占いが大好きというナンノ。 南野陽子と一番相性のいい異性はだれか。気学占いによると、芸能人では「玉置浩二」なんだって。 「玉置さんのやさしさは、ナンノの気の強いところや冷たい部分を愛情に変えていく力をもっている」んだそうで。
衣装は白いレースのドレスに白い帽子。 セットは、最初、真っ暗な舞台にスポットのあたるそこだけに真っ赤なカーテンと白い椅子、というもの、南野が間奏の時にその椅子に座ると椅子が宙に浮いて、 背後には地球の書き割り、惑星に模した球体が南野のまわりを取り囲み、というもの。凝っています。
87.02.12

第5位

レ:− 有:−
ラ:2 ハ:5

7490点
髪形をショートにしたいという。 みんなが「髪を切っちゃいけない」というから、反抗して切ってみたい、と、ナンノ。 ということで、かつらを被っていろいろなショートヘアにチャレンジ。 少年のようにちんちくりんにしてみたり、もんちっちのようなパーマをあてたり、OL風にショート・ボブにしたり。 結局ここで試した髪型のほとんどを後に実際やっているよな、彼女。 衣装はメーテル風の色違いの赤バージョン。セットはオケ前で、彼女のいろいろな髪型のパターンが歌途中で挿入される。
87.02.19

第6位

レ:4 有:−
ラ:2 ハ:7

7823点
成田空港・南ウイングから中継。香港から帰国したばかりのナンノ。 南ウイング玄関前に横づけされたワゴンにかけ入って、そこでの歌唱となる。 窓ガラスから、いっぱいの人が車中のナンノを覗き込んでいるのがなんとも不気味。 なんでロビーや駐車場で歌えなかったのかな、警備の問題? もちろん、南野さんは完全私服、黒い皮のジャンパー姿です。
87.02.26

第6位

レ:6 有:−
ラ:3 ハ:9

7523点
小泉今日子(第7位「木枯らしに抱かれて」)とともに登場。 小泉今日子は、新人アイドルを見て、将来活躍するかどうかというのがわかる、という話。 小泉曰く、なんでも楽屋で行儀のいいアイドルは「売れる」のだそうで。 「では、南野さんの楽屋でのお行儀はどう?」と小泉に訊く黒柳。 それに小泉は「わたしに、そんなこといえないです。わからない。ごめんなさい」と本当に困り顔をする。 それを松下アナは「みんないいということにしておきましょう。世の中のために」と。なんか含みあるなぁ。 南野さん、この頃から楽屋ではいろいろとバトっていたのかしらん。
衣装は、2月5日で着た白い衣装だが、髪を下ろして、さらに青いリボンで印象を変えている。 セットはスモークに大きな百合の花のオブジェ、葡萄のアーチ。歌途中でセットを暗転させ、葡萄のアーチから雨を降らせ、印象を変えている。
87.03.05

第5位

レ:4 有:−
ラ:2 ハ:−

7490点
将来はタレントのマネージャーになりたいという南野。女優を育てたい。自分にできないことをやらせてみたい、と。 23歳で結婚後、10年位したらやってみたいんだそうで。
衣装は、メーテル風の黒バージョン。大きな白い襟と黒い帽子、スカートの裾からふわっと出ているチュールが印象的。 セットは、生の草花がふんだんに使われた中庭風の可憐で豪華なセット。それを見た松下アナは歌い終わりに「はっきりいってディレクターがえこひいきしております」。
87.03.12

第9位

レ:− 有:−
ラ:3 ハ:−

5991点
南野陽子はファンを大切にしている、という話。 もらったぬいぐるみはビニールをかけてしまっている。 感激したファンレターには直接電話をかけて返事をする。 いたずら電話と勘違いされて、怒られたり、その場で切られたりすることも多いけれども、 手紙の内容や、便箋の色などを伝えたりしてわかってもらっている。 「よくない点、改めたほうがいい点」などをいってもらうと、嬉しくなって電話をかけるんだそうで。 しかし、これっていい話にもきこえるけれども、ただのヘンな娘、という感じがしないでも……。 真面目の度が過ぎて、なんか変なんだよな、彼女って。このあたり、ナンノの友人の本田美奈子にも通じるところだけれども。
衣装は紫のいつもの。黒柳はそれを「まぁ、わたしの大好きなお洋服」。 セットはスモークの密室という感じ。途中真っ白から真っ青に変化。 「あの中カメラマンと南野さんの二人しかいなくて、本当心配」という松下アナに 「そんなことに気づくなんて、あなたお若いわね」と黒柳。


 話しかけたかった (87.04.01/最高 1位(2週)/6週/58201点)
87.04.16

第6位

レ:1 有:−
ラ:− ハ:−

7330点
立花理佐(第七位「疑問」)とともに登場。 南野陽子はランクが下の方がいいという。 そのほうが小さいお子さんが見れるから、と。うそ臭いほど謙虚やなー。
三面鏡のように背後に椅子だったり、五月の木立ちだったり、階段だったりを配していて、 カメラワークで印象を一気に変える、というセット。ちょっとこれは凝りすぎているかなぁ。 衣装は、白の可愛らしいリボンに短い白のネクタイ。ピンクのフレアスカート。「話しかけたかった」はネクタイ姿が一番印象的だったかな。
87.04.23

第2位

レ:3 有:−
ラ:7 ハ:−

7725点
本日TBSはスト決行。松下アナのランキングやオフコメの読み上げはなんと録音。 今でも「うたばん」で収録中にいきなり電源を落としたり、とTBSの組合ネタをやっているけれども、 これもまたずいぶんなものだな。
南野は、斉藤由貴(第3位「砂の城」)とともに登場。このふたりが並ぶと、「おぉっ、スケバン刑事」なのだが、他局ということもあり、その話題にはまったく触れずに、斉藤は映画「トットチャンネル」クランクアップの話、 南野は、先週の「ランクは下位がいい」というトークテーマをひきずって、「今週は第2位まで来ましたが」という話。 「よい子のみなさん、遅くまで起きてくれてどうもありがとう。今日はお姉さんは二位で、お姉さんの方が興奮して眠れなくなりそうだけれども、 皆さんは番組が終わったら早く寝ましょうね」と南野は子供に語りかける。
セットは色とりどりの角柱とその上に植えた草々――そのまわりを歩きながらの歌唱、と春っぽい感じ。 衣装はいつもの白いブラウスで、スカートとネクタイが青、髪は斉藤由貴とあわせるように頭のてっぺんで結んだポニーテールにしている。
87.04.30

第1位

レ:3 有:−
ラ:4 ハ:6

8157点
南野陽子、初の第一位獲得。南野陽子はほくろのついたクスだまを開ける。 1位プレゼントは、南野の母が作ったというたきこみ御飯と赤飯のおにぎりと手紙。 それを彼女の松蔭女学院時代の友人がスタジオに駆けつけ、とどける。 松下アナが手紙を読み上げると南野陽子は感動に思わず涙ぐみ、普通テレビでタレントが見せないようなくしゃくしゃの泣き顔をみせる。 また今回は、「学生服姿が好き」という南野さんのためにオーケストラの面々も司会者のふたりもカメラマンも詰め襟を着込み、 さらに大勢の学生服・セーラー服のダンサーズが彼女の歌を盛りたて、 最後は、南野の周りを取り囲んで拍手。彼女はやはり涙ぐんでいる。なかなか感動的なシーン。
87.05.07

第1位

レ:5 有:−
ラ:1 ハ:3

8056点
二週連続一位。 先週は番組終わったあと旧友四人でずっとおしゃべりしていたという南野さん。 葉書から「ナンノさんは、歌詞のようなエピソードはありますか?」という質問。 「洋服が気に入らなかったり、髪に寝癖がついていたり」と、そういうことはあったそうで。 では逆に話しかけられたか? との問いには「電車通学だったけれども、そんなことはまったくなかった」と。
セットは初夏らしい何本もの緑のアーチ、その下で歌唱。 衣装は、ネクタイバージョンでなく、真っ白のプレーンなレースのドレス、水色の大きなリボンとベルト、緑色の石の嵌った指輪でイメージを合わせている。 「話しかけたかった」は衣装においてもお嬢さま路線の最たるものだな。
87.05.14

第4位

レ:7 有:−
ラ:1 ハ:5

7389点
大映テレビ府中スタジオから中継。「アリエスの乙女たち」撮影中のところである。 多忙の南野陽子、車の中でいろいろなことをしている、家のなかにいるよりも落ち着くのだという。 音楽を聴く。歌の練習をする。振りつけを考える。衣装のデザイン画を書く。台本を読む。ほか弁とインスタントの味噌汁の食事も車の中でとる。 いつも助手席に座っていて、人がなかから覗き込んでも気にしないのだそうだ。 アイドルって、大変だなぁ……。 セットは、これは南野演じる水穂薫の自宅のセットだな。衣装は「アリエス」で着た夏服のセーラー。
87.05.21

第5位

レ:9 有:−
ラ:2 ハ:5

7259点
「前々回つけていた緑色の指輪はなに?」という質問に 「スタイリストの持ってきた衣装にあわせたおもちゃの指輪」と南野は回答。アイドルらしい質問葉書だなぁ。 左手の薬指にはめていたので、勘違いされた様子。 今回は前々回と同じ衣装で、ベルトとリボンと指輪を赤に変えている。 セットは、放射状にのびたイソギンチャクのような、わりとよくわからないセットだな。


 パンドラの恋人 (87.07.01/最高 5位/3週/37670点)
87.07.16

第8位

レ:1 有:−
ラ:− ハ:−

6727点
近藤真彦(第九位「さすらい」)とともに登場。 さりげなくミラーゲートを通ったナンノをマッチは笑いながら「彼女、なんでもないようにしてたけど、今裏ですごかったんだから」。 登場直前に靴のはき忘れに気づいてバタバタしていたんだとか。 マッチとナンノは同じ純白の衣装、それを徹子は「まるで新郎新婦のよう」。
マッチはもうすぐ23歳。23歳といえば、ナンノの結婚(の予定)の年齢。今も予定は変わらず? と訊ねる黒柳にナンノは「夢は変わっていません」。 そんなナンノの予定をマッチは「やっぱり、そういうのは、いいんじゃないですか」と軽く受け流す。本当にいいのか? マッチ。そういうプログラムをひとり勝手に作りこむ女性、本当にいいのか?
ナンノは、両肩出しで、前身ごろがひらひらとしてもったりしたドレス、髪は長い薄絹をリボン代わりにして横でまとめている。 今回のセットは、これは美麗で豪華。夜明け前のような蒼い星空にたたずむ大きなオブジェがふたつに割れて、階段が現れる。その先の真っ白いレースのカーテンむこうにナンノ登場。階段をおりて歌いだす。
87.07.23

第5位

レ:3 有:−
ラ:7 ハ:−

7525点
今回のベストテンは昨年に引き続き芝公園プールからの中継。 南野は、「アリエスの乙女たち」収録中の大映府中スタジオから中継。 泳げないという南野。小学四年生の頃、泳げない子を集めての特訓「めだか教室」でなんとかクロールもどきを泳げるようになったが、 以来、8年も泳いでいないという。 セットは「話しかけたかった」時と同じ水穂薫の自宅のセット。南野の衣装も水穂薫の私服の衣装。
87.07.30

第8位

レ:5 有:−
ラ:4 ハ:−

7090点
いよいよ夏休み突入。ということで南野の今年の夏のスケジュールがテロップで流れるが、ドラマにコンサートにスケジュールはぎっしり。 そんな多忙なナンノさんは、疲れると目が三重になったり、奥二重になったりするという。 というわけで、自らまぶたをいじって司会のふたりに見せる。 それを「こうやって研究して遊んでいるのね」と黒柳。
セットはプレーンなオケ前、そのかわり今回はわざわざ全篇モノクロ映像。途中で、「ニューシネマパラダイス」ばりの連続フィルム風演出もはいる。 衣装は、先々週の衣装の若草色バージョン。 「パンドラの恋人」といえば頭に青いペチコートを被ってゴムで縛った衣装が一番印象的だったけれども、ベストテンではこの衣装は着なかったのね。


 秋のIndication (87.09.23/最高 5位/4週/38734点)
87.10.08

第6位

レ:1 有:−
ラ:− ハ:−

7061点
今回、黒柳徹子はお休み。かわりにTBS系列の女子アナウンサーが大勢スタジオに集合して代打を務めている。 二日前に映画「はいからさんが通る」の撮影のために髪型をショートボブにした南野。この放送がテレビでは初のお披露目。 どうもこのヘアスタイルは彼女自身は気に入らなかったようで、「すぐのばします。出来るだけ早く元に戻します」とコメントしている。
衣装は、濃い茶色のパンツに襟の大きいベージュのシャツ、金のシャネルっぽいスカーフを巻いている。 セットは、満月の覗く秋の夜更けの葡萄畑といった感じ。 ちなみに今回に限っては、間奏で結構スピーディーでエレガントなフリがある。これ、なんで続けなかったんだろう。
87.10.15

第5位

レ:3 有:−
ラ:8 ハ:−

7358点
今回も黒柳徹子はお休みで「華の美人女子アナ祭り」――なのか? 南野は、C-C-B(第6位「原色したいね」)、近藤真彦(第4位「泣いてみりゃいいじゃん」)とともに登場。 「南野さんは瞬間芸が得意だというのでなにかひとつやってみてください」とのゲスト女子アナからのリクエストに、 「♪ ちゃらんちゃちゃんちゃ、ちゃらんちゃらんちゃ」と指の瞬間移動の一発芸を披露。一瞬白くなったスタジオにおもわず南野は「ごめんなさーーーい」。 アンコールの声にさらにもう一度披露。それを見たマッチは「昔、野村義男君もよくやってました」――って、そ、そうなの? さらに「『エビフライ』というのもあるとか」との松下アナからフリにこれもまた披露。大きな前歯二本で「エビフライのしっぽ」。ナンノ、悪ノリ。 最後松下アナは「やらなきゃよかった南野陽子、反省でございます」。
盛大に舞う紙吹雪を背後に歩いてくるナンノ、カメラがパンすると、枯葉を敷きつめた枯木立、というセット。 衣装は、タータンチェックのツーピース。この曲ではこの衣装が一番印象強いかな。
87.10.22

第6位

レ:6 有:−
ラ:5 ハ:10

7057点
中山美穂と同様歌と芝居を両立している南野陽子、過密スケジュールに対応するために気をつけているのことは「とにかく体力をつけるため食べること」。 また自分の演技に「くさい。オーバーだ。もっと勉強しなきゃ」と、 さらに、自分の歌う姿に「ヘンなフリやリズムの取りかたをしているな」とも思っているのだそうだ。 相変わらずトークでは謙虚な南野さんです。
セットはオケ前に格子の柵を立てかけて、照明は秋の夕暮れをイメージした朱色から、雪の白へと変化。平凡なセットながら柵の影が床に映ってなかなか綺麗。 衣装は帽子も上着も真っ白、冬物っぽい暖かそうな衣装。
87.10.29

第6位

レ:8 有:−
ラ:4 ハ:3

7090点
映画「はいからさんが通る」撮影のため京都・東映太秦映画村にいるところを中継。 さらに共演の阿部寛、柳沢慎吾が応援。慎吾ちゃんは黒柳といろいろ絡むものの、阿部ちゃんはただつったっているだけ。 黒柳も「背が大きい人ですね」の一言、声をかけたのみ。
今回は太秦ということで、御用提灯片手におおぜいの捕り方が南野を探して太秦をうろうろ、最後は南野の周りを取り囲む、という 楽曲とまったく関係のない「ザ・ベストテン」演出でつっぱしっております。 衣装は、白と黒を貴重としたコンパニオン風。あまり印象のない衣装だな。


 はいからさんが通る (87.12.02/最高 2位/8週/71183点)
87.12.17

第7位

レ:1 有:−
ラ:− ハ:−

6527点
工藤静香(第六位「Again」)とともに登場。 今回は年末恒例リンゴ皮むき大会。工藤・南野・黒柳の三人でいかに早くリンゴの皮をむくかの競争をする。 のだが、南野はリンゴ皮むき専用機を取り出し、黒柳は野菜の皮をむくピーラーを取り出し、勝負にならず。 ま、真面目に向いていた工藤静香も楽しそうだったから、いいか。 セットはオケ前。衣装はもちろん映画にあわせた大正浪漫風の袴スタイル。長着とリボンが桜色。袴は緋色。
87.12.24

第4位

レ:4 有:−
ラ:5 ハ:−

7524点
中森明菜(第5位「難破船」)とともに登場。 ここで出演歌手で「クリスマスソング歌手当てクイズ」を行なうのだが、南野は答えられなかったせいでトークの機会はなく歌となる。 セットは菜の花畑でおもちゃの蝶がひらひら、というもの。ひら歌は画面が暗いのが、サビに入って明るく変化する。 衣装はセットに合わせて黄色の長着と、紺の袴。
88.01.07

第3位

レ:3 有:−
ラ:4 ハ:3

8290点
CFの撮影のためハワイにいる南野陽子からVTR出演。 せっかくのハワイもドラマ撮影のため(――大河ドラマ撮っている頃だもんな)日に焼くことが出来ないので外に出ることが出来ないのだとか。 VTRはイメージビデオ風。帽子・手袋・長袖の上着と女優3点セットでハワイの街を散策したり、ウィンドウショッピングしたり、マイクもないのに曲に合わせてフリをしておどけてみせたり。 最後はトロピカルドリンクを飲みながら、指の瞬間移動の一発芸、ナンノマジックで〆め。 VTR開け松下アナは「またやってますね、アレを」。
88.01.21

第3位

レ:2 有:−
ラ:2 ハ:4

8524点
今回はコタツで蜜柑の「ザ・ベストテン」。ソファーの代わりに巨大コタツが用意され、出演者は足をのばしてくつろいでいる。 南野陽子はドアノブカバーを耳あてにして使っているという。ロケのとき、普通の耳カバーだと髪が乱れるので代わりに使っているんだって。 ただ、これだと鼻が寒い。ということで、「ザ・ベストテン」スタッフは鼻も耳も温かい、髪も乱れない、特注の、 宇宙服の頭部のような、ピンク色の、なんとも形容しづらい品物をプレゼントする。これは、いくらなんでも恥ずかしくて使えないだろ。 衣装は水色の長着に緋色の袴。セットはオケ前。
88.01.28

第2位(週間)

レ:2 有:17
ラ:2 ハ:4

8561点

月間 第3位

33666点
森川由加里(第二位「Show me」)とともに登場。ふたりの月間重大ニュースを披露。 南野の今月の重大ニュースは、・成人式があった。・髪を段カットにした。・初めてハワイに行った。・母が一週間東京にやってきた。・おでこに想いにきびが出来た。 この「月間ベストテン」の時は、必ず月間重大ニュースをやっていたけれども、売れっ子の歌手なだけにプライベートでさほどなにがあるわけでもなく、いつも盛り上がりにかけるよな。
今回の衣装は珍しく袴スタイルでない。こういう衣装でも歌っていたのね。 髪をあげて、白と黒のストライプのシャツに黒いスカートと帽子とレースの手袋。胸元には小さな熊のぬいぐるみがいっぱいついている。 セットはおもちゃの機関車や観覧車が南野の周囲をぐるぐる回る、というわりとベストテンではよくあるセットのひとつ。
88.02.04

第5位

レ:− 有:−
ラ:2 ハ:5

7195点
今回はひさしぶりの「第二回 節分恒例豆まきゲーム」。 続々でてくる男性の顔写真のパネルを見て、「鬼」か「福」か瞬時に決める、っていう84年2月に中森明菜でやった奴と同じアレ。 少年隊のかっちゃん、にっき、中井貴一、石橋貴之、明石屋さんまなど、全員に「福は内」の南野さん。 ただひとり、南野のマネージャーだけ「鬼は外」。 なんでマネージャーだけ鬼?と訊ねるに「鬼と思う時もあるんですけれども、叱ってくれたり、すごく大切な人です。わかっているからあえて『鬼』にしたんです」と ナイスフォローの南野さん。機転がきく人だなぁ。 そのまま、男性パネル前で歌唱。 衣装は、白いブラウスに深緑のスカート、赤い帽子、胸元には赤と紺のリボンをたくさんつけて、となぜか季節はずれのクリスマスカラーの衣装。


 吐息でネット (88.02.26/最高 2位/6週/60855点)
88.03.10

第3位

レ:1 有:−
ラ:− ハ:10

7993点
気管支炎で倒れて入院中の南野陽子。昨日の「夜のヒットスタジオ」はキャンセル。今日の「ザ・ベストテン」には病院からわざわざ駆けつけた。
「昨日「夜ヒット」を見ててびっくりされた方どうもすみませんでした。スタッフの方もどうもすみませんでした。一生懸命よくなろうとがんばっています。 わたしのように今具合の悪い方はわたしと一緒に早くよくなりましょう。今元気な人はこういうわたしを応援してください。わたしがよくなったら、みんなを励ましたいと思いますので、待っててください」 と彼女はコメント。うーん。頭の回転のいい方だなぁ。 景気づけに、いつものアレやって、と黒柳が「ナンノマジック」をすすめる。 早速やってみせて「もう、三回もやりました」。 歌前のオフコメでは、彼女の体調を気遣う電話が何本も寄せられたんだとか。 セットはオケ前。 衣装はハワイで買ったというピンクの花柄プリントの裾がぶわっと広がった肩だしのワンピースに赤いベルトとリボンで髪をアップにしている。 この歌で一番よく見た衣装かな。
歌は、気管支炎だけに喉がガラガラで苦しそうなのだが、それでも南野はど根性のアイドルスマイル。 歌い終わりは会場から拍手があがる。黒柳は南野に「大丈夫でしたか、もうすぐ終わりますからね」と気づかう。
88.03.17

第2位

レ:1 有:−
ラ:4 ハ:2

8823点
「時間ですよ スペシャル」収録中の緑山M2スタジオから中継。 いつものちゃぶ台セットのまわりには南野のほか、出演者のとんねるず(第7位「炎のエスカルゴ」)、森光子、篠ひろ子、真璃子がいる。
昔からTBSドラマをよく見ていた南野にとって緑山スタジオは憧れの場所だという。 それを聞いて「緑山が出来たのは、つい最近にわたしたち思いますけれどもねぇ」と黒柳は森光子に語りかける。 森は「科白もばっちり入っているし、度胸あるし」と南野を褒める。 と、そんなこんなで進行しているあいだも、石橋は南野陽子の鼻先に納豆を持ってきたりとやりたい放題。 歌は「炎のエスカルゴ」と続けてなのだが、そこでもDJ石橋風に南野を紹介したり、物陰に隠れて階段からおりてきた南野を驚かしたり、やりたい放題。 今回の歌の一番は、セットの二階から、窓辺に腰掛けて南野は歌うのだが、これはいかにも「時間ですよ風」演出。南野も途中でギターをかき鳴らすしぐさをしたり、浅田美代子、天地真理らの「時間ですよ系アイドル」へのリスペクトがちらりと見える。
ちなみにこの回の得点、8823点は「ザ・ベストテン」での南野陽子の最高得点。相変わらず有線はまったくだが、はがき2位、レコード1位と他分野が上位をキープした結果と見える。
88.03.24

第3位

レ:5 有:−
ラ:2 ハ:7

7890点
今回はキョンシーオールスターズがやってきた「ザ・ベストテン」。 南野陽子は髪の毛がのびるのが早い。一月で2cmは伸びるという。 髪の毛が早く伸びる人はスケベが多いという俗説から今回は「南野陽子、スケベ度チェック」。 診断結果は「ごく普通」。その結果にナンノさんは「普通が一番です」。
セットはオケ前で、大きな桜の木を後に配して花吹雪がまう、というわりと普通のものだったのが、歌途中からキョンシーダンサーズが南野陽子を取り囲みはじめ、よくわからない方向へ進む。 最後はテンテンがキョンシーたちの額にお札を貼ってめでたしめでたし。可愛らしいベビーキョンシーも登場だぞ、って南野陽子とぜんぜん関係ないやん。 でも南野さんは、結構楽しそうに歌っております。 衣装は、花柄プリントのいつものドレス、髪は下ろして、ベルトはセットに合わせて桜色。
88.03.31

第3位

レ:6 有:24
ラ:1 ハ:9

7758点

月間 第4位

33762点
今回は「ザ・ベストテン 延長戦」。クイズに正解したら歌が歌える、という趣向。 舘ひろしのビリヤード、失敗したか成功したか、というクイズ。正解は失敗なのだが、それに「テレビだと緊張しますものね」とあいかわらずナイスフォロー。
セットは、大きなリボンとハートのオブジェ、後には大きな魚網のような、というわりとよくわからないセット。 衣装は、花柄プリントドレスだけれども、パープルっぽい色味でいつもと別もの。指先につけた赤いコサージュが印象的。 ちなみにこの回の南野さん、肩先までのセミロングの髪にパーマをあてているのだけれども、なんかもっさりとしてオバサンッぽいぞ。
88.04.07

第7位

レ:10 有:−
ラ:2 ハ:7

7060点
今回は松下アナの代理司会に高田純次。女を見にきたという高田。女性アイドルが出るたびに「出た、出た、出やがった」と無駄にハイテンションなのだが、高田純二のいつものごとく、まぁ、心がこもっていない。
南野は小泉今日子(第6位「Good Morning Call」)とともに登場。 「結婚はいつぐらいに?」との高田からの質問に南野はいつものごとく「23歳」。それを高田は「2・3のゴケですね」。 小泉の「特に考えたことがない」には「じゃあ、80でも90でもいいということで」。相変わらず心にもないことこの上ない。面白いけれども。 ちなみに南野さんの高田純次の印象は「最初に思ったとおりの真面目な人。なにごとに対しても熱心そうな人」だそうで。そ、そうなんですか。
衣装は、薄いグリーンの初夏っぽい爽やかなドレス。これは襟があるタイプ。そこにつばがものすごく広い白い帽子に薄緑のリボンをつけている。それを黒柳は「スカーレット・オハラのよう」。 セットはオケ前で、カーテンで作った柱がナンノを取り囲んでいる。それが歌途中で上にあがって、巨大なプレゼントの箱のようなものが出てくる、という趣向。
88.04.14

第8位

レ:− 有:−
ラ:3 ハ:6

7094点
小泉今日子(第9位「Good Morning Call」)、中山美穂(第7位「You're my only shinin' star」)とともに登場。アイドルもよくコンビニで買い物をするという。 実際どういうものをよく買うのか、品物を実際カゴに入れてもらって、トーク。 小泉は、大好きな野菜や買い置きの電池、歯ブラシをよく買うという。 南野は雑誌の立ち読みのためよくコンビニに立ちよるが、何も買わないと悪いので、とカップの味噌汁やパンを買うという。 中山美穂は、南野が立ち読みで済ます、といった雑誌を大量にカゴに入れている。ファッション誌が多いかな。 オフコメによると、ほとんどコンビニ評論家の南野さん、店のイメージカラーにもこだわるんだそうで。
セットは「吐息でネット」ということでくちびるの書き割りがくるくる回っている。 衣装はピンクの花柄ドレスだが、これは襟のあるバージョン。
88.04.28

第15位(週間)

4995点

月間 第10位

24843点
アルバム「グローバル」の録音とそのジャケット撮影、さらにイメージビデオ「カラフルアベニュー」撮影のためにバハマに飛んだ南野陽子。今回はVTRと生電話で出演。 バハマの街並みで買い物したり、セスナから海上を眺めたり、クルーザーで楽しんだり、という南野さん。とはいえほとんどの映像は「カラフルアベニュー」で使っているな。 VTRの最後はやっぱりお約束の「ナンノマジック」でした。 ちなみに今回の「吐息でネット」は、スチールパンの演奏からはじまるのだけれども、これがなかなか新鮮。


 あなたを愛したい (88.06.18/最高 5位/5週/55483点)
88.07.07

第5位

レ:5 有:−
ラ:7 ハ:6

7658点
映画「菩提樹」の撮影のため、西友OZ大泉店の歩道橋から、 「時間ですよたびたび」収録中の緑山スタジオの工藤静香(第六位「FU-JI-TSU」)といったりきたりの中継。 共演者の竹本孝之さんが傍らにいるが、テンションは低め。
「菩提樹」のポスターを手にしたスタッフが並ぶ中、南野陽子は歌う。 衣装は、真っ白な半袖のワンピース。「あなたを愛したい」の衣装は「菩提樹」をイメージしたのか、シンプルな白のワンピースの印象が強い。
88.07.21

第6位

レ:7 有:−
ラ:4 ハ:8

7224点
田原俊彦(「抱きしめてTONIGHT」第5位)、中森明菜(「TATTOO」第7位)と一緒に登場。 「女性はどんな時に結婚を意識するか」というアンケート調査を元に、それらの意見にナンノと明菜はどれだけ共感するかをチェックする。 年を感じた時、周りの友人が結婚し出した時、などと色々な意見に二人は共にピンと来ない様子。結果、10項目中ナンノが2つ、明菜は3つにマルをつける。 どうも結果を見るに二人とも状況に流される結婚はしたくないよう。結婚願望が人一倍強く、そのくせいまだ未婚の二人らしい結果といえるかも。 衣装はいつもの白のワンピース。セットは王道の階段セット。


 秋からも、そばにいて (88.10.08/最高 3位/6週/55333点)
88.11.03

第3位

レ:3 有:−
ラ:4 ハ:5

8224点
この回は、「ザ・ベストテン」の南野陽子で最も印象的な、「歌詞ど忘れ事件」の回。
登場は工藤静香(第2位「MUGO・ん…色っぽい」)とともに。 トークは握力が弱くて、コンサートの二時間マイクを持ちつづけるのも辛いので、鉄アレイで鍛えている、とか、そういった話題。 衣装は、上は臙脂色の襟ぐりが大きく開いたもので、下は彼は色の輪っかのはいった大袈裟なまでに大きなスカート。髪の毛を結い上げて、この歌の衣装のコンセプトである貴婦人風のいでたち。
セットは、枯葉を敷きつめた坂のセット――南野は、歩きながら歌い始める。 立ち位置に立って、ふりむき、そこでひら歌に入るのだがそこで突然、ふっと、歌が抜ける。 途中思い出そうとして必死になっている表情や、持ち直そうとして、やっぱりダメで、思わず悔しそうに苦笑いする表情を彼女は見せるが、 そのまま8小節オケがむなしく流れる。 サビに入って、なんとか思い出すものの、声は震える、マイクを持つ手もがたがた震える。悲惨。 歌い終わりに南野は「どうもすみませんでした。ごめんなさい」と深々とお辞儀をする。
後に本人語るには、ロングスカートが枯葉を散らしてしまわないように気をつけて歩いていたら、歌詞が飛んでしまったのだそうだ。 この失態に、もう芸能界では生きていけない、と彼女は思ったという。 またこの危機に黒柳は、南野に台本を見せようとして駆け寄ろうとしたが、スタッフに抑えられて止められたという。
88.11.10

第7位

レ:9 有:−
ラ:2 ハ:5

7257点
先週と同じく工藤静香(第六位「MUGO・ん…色っぽい」)とともに登場。特に仲がいいという感じはないのに、工藤静香と並びのトークってベストテンで多いなぁ。 南野の今日の衣装は鮮やかな濃いブルーに金のふちが綺麗な裾の広がったドレス。さらに髪の毛をロココの貴婦人風に結い上げている。 それを黒柳は「でました、フランス人形。マリーアントワネットかと思った。」
話題は先週の南野の歌詞ど忘れ事件。 このあいだの歌詞忘れは失恋のせいじゃないの? という葉書が読まれる。それを南野は否定する。 「このあいだはすみませんでした。ただのど忘れです。ごめんなさい。そういうのじゃないです。でもホント葉書とかありがとうございました」
そこで工藤に「そうやってファンから誤解されることはある?」と話をふる。
「結構ありますね、ふられちゃったんじゃないかとか」
「歌い方や、髪の毛の突ったて方で?」
「突ったて方」という言い方がツボに入ったのか、静香さん爆笑。
先週の事件にもう二度と歌が歌えなくなってしまったのではと不安にかられた南野さん、今回は自宅であらためて練習してから本番に臨んだそうで。 セットはオケ前に、西洋風の窓の書き割りを三面立てかけている。途中で照明の具合を変えて夕暮れから夜への変化を演出、というわりとベストテン王道の演出だけれども、これって、結構いいよね。
88.11.17

第6位

レ:9 有:−
ラ:2 ハ:6

7326点
今回は、工藤静香(「MUGO・ん…色っぽい」第10位)、浅香唯(「メロディー」第8位)、小泉今日子(「怪盗ルビィ」第7位)、中森明菜(「I missed the "Shock"」第4位)とともに特設スーパーで買い物ゲーム。
内輪で1000円にできるだけ近くなるよう買い物をする、というものだけれども、 思わず腕まくりをして真剣な表情で買い物をする明菜様に、ゲーム開始前にこそこそ話し合っている浅香唯と工藤静香、確信犯的にゲーム自体を覆して明菜様からツッコミ入れられるいかにも「らしい」小泉今日子、なんとか帳尻合わせしようとするもののゲーム終了の合図におもわず「やーーん」という表情をする南野陽子、などなど、みなさん楽しそうです。 いつもの枯草色の豪華ドレスで買い物する南野さんを黒柳は「スカーレット・オハラが戦後買い物しているよう」。
オフコメによると「900円のスカートを高級スカートのように見せたい。でも値段を聞かれると900円といってしまう」という南野さんだそうで、明菜様と似たようなことおっしゃっております。 セットは、秋から冬への変化を照明の具合で表現したもの。降りしきるものが最初枯葉に見えたのが照明の変化で雪に変わるあたりが憎らしい。 衣装は、豪華ドレスの上が黒い襟ありのバージョン。
南野さんって、一曲にあたり結構衣装作っているよなぁ。上下を変えてバリエーションで見せたり、帽子やベルト、リボンなど小物で印象をかえたり、髪型をいじったり、というのもあるけれども、 一曲で4、5着は作っているんじゃないかな。同じ歌番組で、以前とまったく同じスタイルで出演というのが非常に少ない。


 涙はどこへいったの (89.02.15/最高 4位/5週/48825点)
89.03.02

第4位

レ:1 有:−
ラ:− ハ:−

7760点
南野陽子は日本テレビ「24時間テレビ」の取材で、カンボジアはプノンペンのプノンペン地球局――ソ連が建てた放送局なんだとか、から衛星生中継。 黒柳は、前年ユニセフ親善大使としてカンボジアに訪れたことから、現在のカンボジアの状況を早口で説明したあと中継へと繋ぐ。南野の姿がO.Aされた瞬間はスタジオ中、拍手。 当時、日本とカンボジアは国交を断絶していたことから、人工衛星をふたつ経由して、スタジオからカンボジアの南野への音声は国際電話で、と、かなり綱渡り的。 また一台のカメラでの撮影、しかも、途中ハウリングを起こしたり、観客やスタッフと思われるいらない音を拾ったりもしている。 とはいえ、政情不安定な地域でも生中継をする、まさしく「追いかけます。お出かけならばどこまでも」の『ザ・ベストテン』の面目躍如。 多くのカンボジア現地の人々が集まるなか、手をあわせて挨拶しつつ、南野陽子は歌う。 衣装は、紺のシャツと帽子、オレンジのパンツとスカーフ。身動きのしやすいすっきりした私服。
89.03.09

第4位

レ:3 有:−
ラ:8 ハ:7

7959点
日本テレビ「24時間テレビ」の取材で、今回は、タイ・バンコクのタチャン船着場から中継。 10日間のタイ・カンボジア・ベトナム紀行もいよいよ終盤。東南アジアの地図をを広げて、南野はどのような旅だったかを早口で語る。
南野は、船着場の市場になっている通りを歩きながら歌うのだが、ものめずらしさで見物したり、 あるいは興味もないのか、通りすぎる現地人が、南野の肩先のところまで近寄ったり、またケーブルを確保したり、雑踏を仕切るスタッフが右往左往の大見切れフェア。 これ、ものすごい危なっかしい。何か事故があっても全然おかしくないぞ。 今だったら、出来ないだろうなぁ。 しかし、今回、しかたないにしても衛星の音声のディレイっぷりがハンパでない。 衣装は、白で統一したスポーティーな帽子、シャツ、パンツに紫のスカーフ。
89.03.16

第8位

レ:6 有:−
ラ:4 ハ:9

7290点
カンボジアからようやく帰ってきて今回やっとスタジオに登場。 トークテーマは南野陽子による「カンボジア語講座」からさらに話題が広がる。 カンボジアでは途中通訳が倒れてしまったために、南野が直接地元の子供たちとコミュニケーションをとった。彼らからいろんなカンボジア語も習ったし、また南野も彼らに日本語をいくつか伝えてきた。 みんな、この「涙はどこへいったの」も覚えてくれた。 また、指の瞬間移動の「ナンノマジック」も彼らの前でやって、みんな真似してくれた。ということで「ザ・ベストテン」5回目のナンノマジックを披露。 またカンボジア語バージョンの「秋からも、そばにいて」もひと節だけ披露した。
衣装は、黒柳が「まだカンボジアを旅の途中のような」といった前回、前々回とあまり変わらない薄い紫の春物のセーターに同色のつばのない帽子、紺のパンツというスタイル。 南野的には「涙はどこへいったの」のイメージはこういうシンプルなスタイルなのかな。 セットは、緑と金を基調にした大きな女性の絵。
89.03.23

第10位

レ:− 有:−
ラ:6 ハ:10

6224点
今回は、アルバム「ゴーシュ」のジャケットとおまけの写真集撮影のためギリシャのミコノス島からのVTR。世界飛び回っておるな。 VTRはイメージビデオ風。ナンノは地元の子供たちとおしゃべりしたり、ミコノス島をうろうろ。衣装も「ゴーシュ」に掲載されている青と白のストライプのもの。 ちなみに南野さんは、このあとフランスに飛んで「夜のヒットスタジオ in Paris」に参加しております。
歌終わり「四月からは日本にいますのでよろしくお願いします」と挨拶するものの、この週を最後にこの歌はランク外に。(翌週もインしたものの、特番のため本放送はなしだった) ちなみにVTR開け、工藤静香に感想を求める黒柳。このベストテンだけになぜかある工藤−南野ラインって一体なんなんだ。


 トラプルメーカー (89.06.21/最高 3位/4週/43104点)
89.07.06

第6位

レ:2 有:−
ラ:− ハ:8

7696点
今回の新曲の作詞はナンノ自身のもの。 作詞は、メモ帳や手帳、コースター、飛行機の機内食の箸の袋など、思いついたその場でそこにある紙に書き留めている、ということで、その「トラブルメーカー」の詞が書き残されている現物がでてくるが、ナンノはそれを説明しつつも、 さりげなく折って隠したりしている。恥ずかしいのかな。 「この歌詞の意味は?」という質問に、 「特に意味はないけれども、『一人旅したい』なんて事務所にいったらどうなるだろう、ダメでもともとだけれども、反応が見たくていっちゃうっていう。事務所を彼氏に見立てて、書いてみた」んだそうで、 って、この説明結構直球だな、ナンノ。この翌年に事務所を独立していることを考えると生々しい。
セットはオケ前にハートのオブジェがくるくる。衣装は、紺で就活スーツ風、ちょっとだけ見える襟元のスカーフがそこだけ華やか。今回の歌詞のテロップはナンノ直筆のもの。
89.07.13

第3位

レ:3 有:−
ラ:7 ハ:2

8191点
今回は、南野の日記とスケジュール帳を公開。 スケジュール帳には、仕事のことや、個人的なことなどがごちゃごちゃとアトランダムにかかれていて、それを一週間ごとに日記の方に書き起こすのだとか。 そのなかからひとつ、88年11月3日――「秋からも、そばにいて」歌詞ど忘れ事件の日の日記が読まれる。
「ばかばかばか。最低。『ザ・ベストテン』で8小節も歌詞を忘れてしまった。もう、突然、急にふっと。一生懸命思い出しても、もうその部分は終わっていた。もう、泣きそう。おまえなんか歌手やめちゃえ」
衣装は白の、これも就活っぽいスーツだな。「トラブルメーカー」の衣装はこういう、バブル期OL通勤スーツ路線なのかな。襟元のスカーフはエメラルド色でベルト、ハイヒールと色味をあわせている。 セットは赤と白と青のストライプの円柱がくるくる回り、ってここは理髪店か。途中で赤と青のスーツを着たダンサーズが登場。あぁ、ベストテンだなぁ。
89.07.20

第5位

レ:9 有:−
ラ:4 ハ:4

7090点
群馬県民会館でのコンサート終了後、撤収作業中のホールの客席から中継。 今日は南野の夏のツアーの初日、そして今回のツアーは全24ヶ所、さらにここは群馬ということで、24個目のある高崎だるまが南野陽子にプレゼント、南野はさっそくひとつめの目玉に墨を入れる。 衣装は、白いブラウスに白いスカーフ、紺のスカート、髪は紫のリボンで束ねたお嬢さまの私服風。これは実際の私服なのかね。 南野は、途中うしろをふりむき背後のダンサーに微笑みかけたりして歌う。舞台がはねたあとのリラックスした感じがよくでているベストテンらしい演出。
89.07.27

第9位

レ:10 有:−
ラ:3 ハ:8

6590点
南野陽子最後の「ザ・ベストテン」。まだまだ夏のコンサートツアー真っ只中のナンノだが、今回は、ツアー先の、しかも船上から。
台風の直撃はまぬかれたものの、まだまだ風の強い海に、小型クルーザーを走らせてその上で歌う、って無茶です。 デッキにおしゃれなテーブル、カクテルと花なんか飾って夏のリゾート気取りって、だから、船ぐらぐらゆれてますから。
南野さん、無理して立ち上がって、舟の端ギリギリで歌って、これがもう、危なっかしい。落ちるって。無理すんなよ。 顔はこわばっているし、歌唱はいつもに増してめろめろだし。 夜景狙いのヘリコプターからの空撮は画面真っ暗で完全に空ぶりだし。
「ベストテン」は最後の最後までベストテンだなあ。歌手に無理なことをさせすぎ。 ちなみに前回の高崎だるまもチラッと映っていました。きちんと目の数が増えている。 衣装は、パンツもトップもリボンもブレスレットも手袋も全部サーモンピンクの可愛らしいものだったものの、この演出では……。 歌い終わり黒柳の「大丈夫? 落ちないようにしてね。すごい風ですものね」のフォローに「でも、風気持ちよかったです」とナンノ。勝気ですなぁ。



2006.01.22
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