今日は素敵な作曲者、林哲司の話。 80年代中頃に圧倒的な数のアイドル歌謡を書き下ろした林哲司。 主な楽曲は菊地桃子、杉山清貴アンドオメガトライブのほぼ全ての楽曲をはじめ、杏里「悲しみがとまらない」、中森明菜「北ウイング」、 河合奈保子「デビュー」、原田知世「天国に一番近い島」などなど、稲垣潤一、松田聖子にも結構書いていたなぁ、確か。 まぁ、80年代歌謡を探れば必ず当たる作家の一人。 そして、一部では汎用性(????)の異様に高い作家であることはあまりにも有名。 はっきり言って林哲司の作品ってある意味凄い。 だって誰がどの曲歌ってもかわんないんだもん。 たとえばさぁ、今、上に挙げた楽曲と歌手をシャッフルしたとするでしょ。 中森明菜が歌う「ボーイのテーマ」とか、菊地桃子の「悲しみがとまらない」、杏里の「デビュー」、河合奈保子の「天国に一番近い島」などなど……、頭で想像してみて。 …………(歌を想像するための間)…… ……でしょ、でしょ。 まったく違和感ないっしょ。 そりゃ歌詞のキャラ設定がそれぞれの歌手のイメージと多少はずれるけど、ほとんど問題ない。 明菜とか杏里とか奈保子とか歌唱力勝負の歌手と菊地桃子、原田知世などお世辞にも誉められない歌手のレパートリーをひっくり返して違和感がないって言うのはちょっとありえないっすよ。 ていうか、林作品はいつもどんな時もおんなじっていうのが最大の原因なのですが。 頭サビでAメロ、Bメロと低中音域で抑制を効かせて、サビの高音で一気に爆発。 このセオリーって何なんでしょうね林先生。 でも、それがよかったりするんだから困るんだよね、彼の場合。 しかしこの「あーーー、またいつものだよ」と思わせつつも、そこにハマッた時の快感の抗いがたさってのはの90年代の小室哲哉に匹敵すると私は思ったりする。 スーパーワンパターン作曲者としての称号を私は林哲司に与えたい。 寅さんや水戸黄門のごとく、タイムボカンやドラえもんのごとく、明星ラーメン・チャルメラや日清チキンラーメンのごとく、ワンパターンを超えたスーパーワンパターンは偉大。 これは後世に語り継がなくてはならない。まじで。 で、そんな林哲司の汎用性の高さを最大限に活用できる歌手は菊地桃子以外いない、と私は思いますがどうでしょ?? 菊地桃子ならどんな林哲司作品でも歌いこなせるはず。 「デビュー」「北ウイング」など女性アイドルソングなら当然。男性の歌だって。 桃子になら男歌・女歌の別すらも飛び越えられる。 オメガトライブ、稲垣作品はもちろん、上田正樹「悲しい色やね」だって。 えーーーー、嘘だあ、と思ったあなた。 だって「大阪ベイ・ブルース」で「泣いたらあかん」でしょ。 いくらなんでも無理だよと思ったあなた。 唇をきゅっと締めて、舌っ足らずの桃子歌唱で歌ってみてよ「悲しい色やね」。 ほぉみぃたいっ おおさぁか べいぶるーーす ほらね、桃子になるじゃん。 ということで、林哲司まんせーーー、林哲司の歌を歌う菊地桃子まんせーーー。 (結局オチはここかよ) |
2003.05.23