7月13日といえば中森明菜の誕生日であるが、もう一人有名なアイドル、同期デビューの石川秀美の誕生日でもある。 秀美は明菜の1つ下66年の生まれであった。 たしか85年7月の夜のヒットスタジオだったと思う。もうすぐ誕生日ということで番組に出演していた中森明菜と石川秀美に共にバースディケーキが贈られた。 誕生日の抱負と共に二人は「早く結婚したい」とトーク、秀美は「24歳くらいに」、明菜は「25、6歳には」と語っていた。 この夢は、ここを見ている人ならわかるとおもうが、秀美は叶え、明菜はやぶれた。 80年代、明菜がトップスターとして君臨するのと対照的にアイドルとして着実な人気を得ながらもトップ集団のなかではいまいち目立たなかった石川秀美であるが、 その後の私生活に関しても明菜ときわめて対照的な途をたどることとなった。 ―――20代前半にジャニーズアイドルと結婚し、引退。子沢山の幸せな家庭を作る、という明菜がいくら望んでも手に入れることのできなかった夢を彼女は実にさりげなく叶えたのだった。 たしか同期のということでこと仲が良かった二人であるが―――特に明菜が秀美を気に入っているような感じがあった、歌の前に秀美の髪をちょっと直してやったりなどしていたのを見たことがある。ふたりはちょうどカードの表と裏のようになってしまったわけである。 誕生日が同じということもあるのだろうか。そこに不思議な因縁を感じる私である。 蛇足。 二人の印象として私の記憶に深くあるひとつに89年の「歌謡びんびんハウス」での一景がある。 明菜は「LIAR」で石川秀美は「Silence Blue」で出演していたと記憶している。 明菜は依然トップスターとして君臨、1位の常連組であったが、一方秀美は歌手としては明らかに難しくなってきた頃でオリコンベスト50に入るのも容易でなかったと思う。 この番組は歌の他に出演歌手たちによる様々なクイズやゲームが執り行われる番組であったが、そこで二人は常にペアを組んで実に楽しそうにゲームに興じて、番組の中で特に目を惹いていた。 特に明菜のはしゃぎっぷりが強く印象に残った。たしか視聴者クイズ用のアイキャッチのようなモノが番組のCM入りと出にあるのだが、そこでまた二人は楽しそうに遊んでいたと記憶している。 歌手としてのフィールド(特にセールスに関しては)はあまりにも違う世界になっていた二人であったが、気持ちはきっとデビュー当時のままだったのだろう。 ふたりとも「そういうこと」は気にしない人なんだぁ、と子供ながらに思ったことを覚えている。 その番組の放送数ヶ月後、明菜は自殺未遂事件を起こし、そして一方の秀美も翌年には結婚、引退となる。歌手としての二人の番組共演はこれが最後だったのではなかろうか。 そういった意味でも印象深い。 |