もう、なんだよ、バンドに生の弦入ってるじゃねぇー――かよっっっっ。 すっごい豪華じゃん。 バンマスは上杉洋史だしさぁ。 誰だよ、全く、金かかってないとかいってた奴。 ということで、ネットの噂をマジで信じて馬鹿を見た、そんなまこりんです。 金かかっていないとか、バラード中心なのでだれるとか、明菜の声が出ていないとか。 もう、嘘ばっかじゃん。 って、まぁ、2ちゃんとかが主な情報源なんですけれど……。 この情報と、セットリスト見て、97年のツアー以来毎回ツアー出席のところを、「どうせライブビデオ出るだろうし、無理に都合あわせるのもめんどいな」と今回は流したんだけれども、やっぱいったほうがよかったのかも。 もうっ、やっぱ、所詮ネットはネットだわ。自分の目で確かめるのが一番だわ。 明菜、精気に満ち満ちています。 で、全体のポイントとしてはかなりの楽曲が弦中心のアレンジになおされている、というのが1番の注目かな。 個人的には、これは98年の「シンフォニックコンサート」の雪辱戦なのでは、と感じた。 ―――いやぁ、あのコンサートはひどかった。って書いたら、また怒られるかしら。 「風の果て」「うつつの花」「紡ぎ唄」「Days」とオープニングはニューアルバムから。 ここは全体的に、アルバムと違い、ちょいとビブラートきつめに唄っております。 「うああぁぁ」成分多め、ということで、ちょっと全盛期の頃っぽい歌い方。 「うつつの花」「紡ぎ唄」、悪くない。 アルバムレビューでこの2曲は落ちると書いてファンの方からそんなことないといわれたまこりんであるが、 確かにアルバムの流れから外れると決して悪くはない。 やっぱり色が違っていたんだな。 あ、そうそう、このオープニングの衣装、かっこいいね。 白のドレスに黒い手袋と黒のブーツ、あと黒の付け毛。 だから、明菜は黒の長髪が一番似合うんだってばさぁ、髪の色抜かないでほしいなぁ。 「駅」「温り」「乱火」「予感」 こっからが本編ということで、バラード中心の選曲。 久々の披露、「温り」(――「1/2の神話」のB面)と「乱火」がいい。 こういう佳曲を決して明菜は忘れていなかったのだなぁ。 明菜は過去のアルバム曲やB面をセットリストに組み込むのに少々恐れている嫌いがあるが、今回のツアーの成功を糧にこれからもどんどん取り上げて欲しい。 「温り」ラストの震えながら手を差し伸べるところがもう、なんとも。 「スローモーション」「Blue on Pink」「SOLITUDE」「LIAR」 ここは弦中心の大胆なリアレンジが目を惹く。 一番驚いたのが「SOLITUDE」。 なぁるほど、こういう解釈もあるんだぁ、と驚き。 「I'm tellin' you いつか I'll see you」の切れ切れな歌い方、これは聞くべき。 この歌はシングルリリース時は正直歌いきれていなかった―――明菜がだるそうに歌っているなあというだけで、ちょっと退屈だった、のだが、今ではすっかり体得している。 ちなみに原アレンジに忠実な歌唱で一番よいのは97年ツアービデオ『felicidad』であろう。 「燠火」「マリオネット」 静かにクライマックスに向かう。 またまたものすごいリアレンジで驚く「燠火」。 音が鳴り止まないアルバム『不思議』のなかで唯一といっていい静謐を湛えたこの曲が、地獄の釜を開けたかのように、どんどこどこどこ。 そんなに暴れたら地の底で眠っているドゥエンデが起きだしてしまいます。 でもって、次も同じく『不思議』から「マリオネット」。 暗黒舞踏のようだった87年の夜ヒット・マンスリーゲストでの歌唱が印象深いこの曲であるが、やっぱり今回も凄い。 振り付けを当時のものと変え、やっぱり、このコンサート中の白眉。 狂ったように鳴るバイオリンの音に引きずられるように明菜は踊りまくります。 これが明菜、明菜なのよぅ―――。 夢幻的で悪魔的で妖艶で、とにかくかっこいいなんていう言葉を超えている。 その勢いのままに、「月華」「薔薇一夜」「難破船」と突き進み、終了。 「月華」のこのアレンジ、好きだなあ。 明菜は弦の裾をずるずるひきずるような音と相性がいいと思う。 「薔薇一夜」もいい。「難破船」もバラードコンサートを〆るにちょうどいい大曲で、歌唱も安心の出来。 アンコールはアップテンポの「La Boheme」、「I hope so」。 「I hope so」はアンコール向きの楽曲だな。楽曲そのものの実力以上の良さになっている。 結論。今回も堪能しました。 来年はなにやるのかなぁ、と今から楽しみ。 っつーことで、これからも、この先も、ずっと明菜で楽しみたいと思わせる余裕のコンサートでした。 しかし、映像特典の――バックステージの映像はちょっとアレだったなぁ。 だって、中森明菜って舞台の上だと絶世の美女なんだけれど、歌から離れると、年相応の枯れたちょっと物悲しい女性って感じなんだもん。 おまけだから、流して見てしまうことはないからいいけれど、やっぱりファンとしてはずっと夢見ていたいものなのだからなるべく表の顔だけにしてほしいものです。 ま、そのへんが下手なのが明菜なんですけれどね。 |
2003.12.17