俺がいいなっ、て思うと今まで人気があったものがフェイドアウトしたり、引退したり解散したりするから面白い。 というか俺は貧乏神かよ。 という私にとってファンになったとたん売れなくなった歌手の一人、篠原涼子を今回は紹介。 東京パフォーマンスドール時代と小室プロデュース時代にはまったく興味がなかったのだが、小室プロデュースから離れた「ダメ!!」で私の中でグーンと気になる存在になった。 「ダメ!!」は井上陽水作品で、この時期本人スタッフともに明菜meets井上陽水による「飾りじゃないのよ涙は」的な効果を狙っていた様に思えた。 篠原本人もこの時期辺りから明菜ファンであることを公言していたし。 アレンジは何故か中近東テイストなのだが、とにかく篠原の歌い方が色っぽくなっていたことに私は驚いた。 パードル時代、小室時代ともに不感症のようなニュアンスのない歌い方だったのが、瑞々しくって艶々して濡れて色っぽい女豹のような歌い方にいきなりシフトチェンジ。 えーーー、こういう歌い方できんのかよ。 驚きましたよ、わたしゃ。 しかし、ここからがミソのつきはじめ、最高位20位、13.4万枚で、前作「Lady Generation」から一気にセールスダウンとなる。 次作「平凡なハッピーじゃものたりない」「しあわせはそばにある」はカマトトっぽいノリでスルーだったが、その次の「GOOD BYE BABY」でまたびっくり。 めっさいい曲やん。 松井五郎ー小森田実作品で、「傷つくことさえも笑って見せる たとえ優しくてもすがりたくないの」の女っぷりがよく、語るように抑えて歌う部分と歌い上げる部分の対比が上手くなっている。 そう、小さく歌ってここぞというときに歌い上げるこのテクって全盛期の明菜節そのもの。 あっ、篠原って本当に明菜のファンなんだぁ。とはじめて実感した。(営業でそういうこという人って多いじゃん) でもって、わしゃ絶対篠原の次のアルバム出たらちゃんと定価で買うぞっと、決意したわけ。 しかし、次のアルバムは衆知の通りでなかった訳で……(涙)。 と売上げはますます低迷し、歌番組で彼女を見ることも皆無になった頃、リリースした次シングル「Blow up」。 ストリート・スライダーズのKOHEY作品によるこちらが恥ずかしくなるほどのど・ロック。ギターがぎゅわんぎゅわんいってます。 でもねぇ、これもよかったのよお。 カッくいいー。 もう、篠原、咽喉ひらきっぱで、野獣のように歌っている。 男に挑みかかる感じが明菜の「TATTOO」みたいと、わしゃ本気で思ったよ。 明菜がたとえいなくなっても、篠原がいるから大丈夫とさえ思えた。 というか、この時点で売上げで言えば篠原は明菜よりも遥かに売れなくなっていたから、明菜が先に消える可能性なんてのはなかったわけだが。 で、いよいよバラエティー、ドラマの仕事ばかりになってもう歌はやらんのかなぁ。 と諦めていた矢先に出たのが、「リズムとルール」。 レコ社を移籍しての1発目でドラマ主題歌だし(テレ朝の「おばぁちゃん、こわれちゃったの」だけどな)、久々に歌番組にも出たし、 小ヒットしたらいいなぁ、とおもったが、やっぱり不発だった……(涙)。 この曲もいいと思うんだけどなあ。 鈴木祥子の詞が今時のノリをを軽くいなしている感じでよかったし。 愛よりも大事なものなどないよっていつか言ったよね愛だとかなんだとかいってるくせして、あなたは愛を携帯のメモリー量で確認するようなうすっぺらい人間じゃない。 と、さらっと言ってのけて、癒しも救いもどこにもないのよとさりげなく啖呵を切る。 いいと思うんだがなぁ。 ちなみにカップリングの「夜空に隠して」もキハラ龍太郎作品でこちらも結構いい。 その昔、インタビューで「いい曲だと思った曲に限って売れない」みたいなことを本人が言っていたのを読んだが、その気持ちはよくわかる。 ほんっっとー、わかるぞーーー。 で、「リズムとルール」以来篠原涼子の歌を聞いていないわけだが、やっぱ、もう、歌わないのかなぁ。 東芝との契約ってワンショットだったのかしらん。 惜しいよなあ。マジで。 頑張っていたよ、涼子は。 皆さんもレンタル落ちとか、中古とかでみかけたら聞いてあげてくださいよ。 悪くないから。 といま、ここまで書きおわったあと、データベースで調べてみたら、篠原、その後キティMMEに移って新曲出してやがる。 「someday somewhere」。2001年8月発売。 不覚。 |
2003.04.26