|
◆ TOKIO (79.11.21/第8位/12.4万枚)
1. TOKIO
2. Mitsuko
3. ロンリー・ウルフ
4. Knock Turn
5. ミュータント
6. Dear
7. コインに任せて
8. 捨てぜりふ
9. アムネジア
10. 夢を語れる相手がいれば
11. Tokio (Reprise)
|
阿久―大野コンビ、井上堯之バンドから離れたジュリーの新たなプロジェクトの始動をしらしめる意欲作。とはいえ70年代の重さが至るところにまだまとわりついていて、ど派手なジャケットワークのわりに案外おちついていますね。ただその中でタイトル曲「TOKIO」だけが段違い。これをシングルカットするしかないよね。7点。
|
◆ Bad Tuning (80.07.21/第27位/2.0万枚)
1. 恋のバッド・チューニング
2. どうして朝
3. WOMAN WOMAN
4. PRETENDER
5. マダムX
6. アンドロメダ
7. 世紀末ブルース
8. みんないい娘
9. お月さん万才!
10. 今夜の雨はいい奴
|
ジュリー、弾けました。いいなぁ、この能天気さ。「したくないこと したくなぁい」というリフに思わず笑ってしまう「どうして朝」、「俺は世界一いい男」といいきってしまう「世紀末ブルース」、まんだぁ〜むというジュリーの歌い方がアホっぽい、歌詞もはちゃめちゃな「マダムX」などなど。電気椅子でまどろんでいるアンドロイドジュリーのジャケ写も最高にイカしています。8点。
|
◆ G.S. I love you (80.12.23/第23位/4.8万枚)
1. HEY!MR MONKEY
2. NOISE
3. 彼女はデリケート
4. 午前3時のエレベーター
5. MAYBE TONIGHT
6. CAFEビアンカ
7. おまえがパラダイス
8. I'm In BLUE
9. I'll BE ON MY WAY
10. SHE SAID
11. THE VANITY FACTORY
12. G.S.I LOVE YOU
|
ジュリー自己遡及の旅。佐野元春がジュリーのロック魂に火をつけた。「Vanity Factory」「彼女はデリケート」の2曲だけでもこのアルバムを出した意味があるというか。これをシングルにしないのはもったいないなぁ。長年のパートナーの一人であり、アルバムプロデューサーでもある加瀬邦彦もいい仕事している。架空の60's幻想紀行だ。いいなぁ、ぎらぎらしていて、気迫にみちみちている。9点。
|
◆ Stripper (81.06.10/第13位/11.0万枚)
1. オーバチュア
2. ストリッパー
3. Bye Bye Handy Love
4. そばにいたい
5. Dirty Work
6. バイバイ ジェラシー
7. 想い出のアニー・ローリー
8. Foxy Fox
9. テーブル4の女
10. 渚のラブレター
11. テレフォン
12. シャワー
13. バタフライ・ムーン
|
まだまだつづくジュリー自己遡及の旅。スーパースター・ジュリーの攻撃はまだまだやみそうにない。「BYE BYE HANDY LOVE」「DIRTY WORK」「テーブル4の女」とビシバシの豪速球で決めていく。王者の余裕と迫力。「シャワー」「テレフォン」などで能天気さの影に苦みばしった30男の憂鬱な横顔もちらりとするのもいい。9点。
|
◆ A Wonderful Time (82.06.01/第14位/9.4万枚)
1. おまえにチェックイン
2. PAPER DREAM
3. STOP WEDDING BELL
4. WHY OH WHY
5. A WONDERFUL TIME
6. WE BEGAN TO START
7. 氷づめのHONEY
8. ZOKKON
9. パフューム
10. 素肌に星を散りばめて
|
いつもの通りぎらぎらしているが、前作前々作でのノウハウを活かした「こなし」という感もある。タイトル曲「Wonderful Time」をはじめ「Stop Wedding bell」 「ZOKKON」「素肌に星を散りばめて」など全てにおいて危なげがない。この年は「タイガース復活」に力を入れて、ソロ活動は守りの状態であったことがここからもわかる。色々取り揃えたいつもの素敵なジュリーということで、8点。
|
◆ Mis Cast (82.12.10/第11位/13.1万枚)
1. News
2. デモンストレーション Air Line
3. 背中まで45分
4. Darling
5. A.b.c.d.
6. チャイニーズ・フード
7. How Many “good Bye”
8. 次のデイト
9. ジャスト・フィット
10. ミスキャスト
|
ジュリーmeets井上陽水。70年代のロック&ポップスターとフォークのスターの奇蹟の邂逅。婉曲的な陽水の手管に分裂症気味ジュリーが楽しめます。正味の話、奇跡の名盤。全てが完璧。ただ、このコラボどちらが得をしたかといったら陽水の方なんじゃないかなぁ。井上陽水は大麻不法所持で逮捕後いまいち吹っ切れなかったがここでやっと壁を破ったように見える―――彼自身のアルバムでなかったというのがなんとも皮肉である。ここがあって2年後の陽水の再ブレイクがあったと私は見る。10点。
|
◆ Julie Song Calender (83.03.05/第5位/4.3万枚)
1. 裏切り者と朝食を
2. ボンヴォワヤージュ
3. 目抜き通りの6月
4. ウィークエンド・サンバ
5. Sweet Surrender
6. CHI SEI(君は誰)
7. YOU’RE THE ONLY GIRL
8. ラスト スパーク
9. 一人ぼっちのパーティー
10. SCANDAL!!
11. す・て・き・にかん違い
12. Free Free Night
13. BURNING SEXY SILENT NIGHT
|
TBSラジオ「NISSAN ミッドナイトステーション」から生まれた企画アルバム。作詞は全て女性のタレントや著名人によるもの―――研ナオコ、アンルイス、落合恵子、里中満智子、青島美幸、竹内まりや、原由子、多岐川裕美、微美杏里(藤真利子)、名取裕子など、全作曲は沢田研二である。
とはいえオリジナルアルバムと見て充分のクオリティー。当時の女性が「沢田研二」という素材にどんな幻想を見ているか、というのがよくわかる。憎みきれないろくでなしの国外逃亡を歌った「ラストスパーク」(青島美幸 作詞)、馬鹿馬鹿しさ炸裂の「SCANDAL !」(微美杏里 作詞)が特にいい。8点。
|
◆ 女たちよ (83.10.01/第12位/5.6万枚)
1. 藤いろの恋
2. 夕顔 はかないひと
3. おぼろ月夜だった
4. さすらって
5. 愛の旅人
6. エピソード
7. 水をへだてて
8. 二つの夜
9. ただよう小舟
10. 物語の終わりの朝は
|
ジュリーmeets筒美京平。舞台は源氏物語。ここまでくるとほとんど異種格闘技ですな。ジュリーなんでもあり状態。トップの作曲者とトップのエンターティナーが繰り広げるアンダーグラウンドの世界。息苦しくなるほど濃密でエロティック。ポップスターがここまで濃密になっていいものなのか、と疑問に思いつつ、9点。
|
◆ Non Policy (84.06.05/第23位/2.6万枚)
1. ナンセンス
2. 8月のリグレット
3. 真夏のCONVERSATION
4. SMILE
5. ミラーボール・ドリーマー
6. シルクの夜
7. すべてはこの夜に
8. 眠れ巴里
9. ノンポリシー
10. 渡り鳥はぐれ鳥
|
事務所は吉川晃司にかかりっきりなのかしら。いいアルバムだけれども吉川の『La vie en Rose』と作家、作風共にあまり変わりませんぜ。「雨になっても晴れになろうと問題なのはシャワーを浴びる温度くらいだよ」(「Non Policy」)ここの秋元康、冴えてるっ。ジュリーってこういうやつだよね。8点。
|
◆ 架空のオペラ (85.09.21/第10位/6.2万枚)
1. 指
2. はるかに遠い夢
3. 灰とダイヤモンド
4. 君が泣くのを見た
5. 吟遊詩人
6. 砂漠のバレリーナ
7. 影 〜ルーマニアン・ナイト〜
8. 私生活のない女
9. 絹の部屋
|
事務所独立して、バックバンドも解体して、レコ社も移籍。心機一転の今作は原点回帰、阿久―大野コンビ復活。ただ全体のトーンはヨーロピアン。この声の湿り加減がなんとも。「LOVE 抱きしめたい」のエスニックバージョンといった「吟遊詩人」、明菜の「SAND BEIGE」のような「砂漠のバレリ―ナ」、東西冷戦下のルーマニアでの諜報員同士の暗闘を描いた「影〜ルーマニアン・ナイト」など、秀作ぞろい。これは酔えます。成熟した大人のアルバム。ジュリーは日本のルドルフ・バレンチーノか?10点。
|
◆ Coco-lo 1 夜の淫らな鳥たち (86.06.25/第26位/2.9万枚)
1. "B"サイドガール
2. 夜のみだらな鳥たち
3. 無宿
4. ドシャ降り、ぬけて…
5. あの女(ひと)
6. 幻影(イリュージョン)
7. 流されて…
8. 時の街角
9. 闇舞踏
|
ギンギラのジュリーはもういいんじゃないのかな、というセルフプロデュース。エスニック的なテイストを散りばめつつもどこまでもストイックな音作り。「無宿」ではスーパースタージュリーの今まで隠していた心の底にある皮肉が思わず溢れ出しまう。沢田研二をどこまで深く理解しているかを試されるような作品。6点。
|
◆ 告白 (87.05.25/第48位/1.1万枚)
1. 女びいき
2. 般若湯
3. FADE IN(inst.)
4. STEPPIN’STONE
5. 明星〜Venus〜
6. DEAR MY FATHER
7. 青春薮ん中
8. 晴れた日
9. 透明な孔雀
10. 護り給え |
元ザ・ピーナッツの伊藤エミとの離婚後初のアルバムでタイトルが「告白」というのだから意味深過ぎる。不精髭を生やし、髪の毛ぼさぼさのジュリーが毒づく毒づく。30男の恨み節だ。「女びいき」はちょっと耳に厳しすぎるかな。昔の悪ガキぶりを追想した「青春藪ん中」が一番いいかな。宗教的な「明星〜Venus〜」「護り給え」もいい。けれど、ちょっと心が荒みすぎてますよ、これ。6点。
|
◆ True Blue (88.07.24/第67位/0.1万枚)
1. TRUE BLUE
2. 強くなって
3. 笑ってやるハッ!ハッ!
4. 旅芸人
5. EDEN
6. WALL IN NIGHT
7. 風の中
8. 痛み |
砂漠の中に立っている。そこは乾いた大気と射るような陽光、風の音と砂が流れる音しかない。心の中にあるあらゆる欲望が無化していく。残るものは遥かなるものへの祈念のみ。もはや、宗教的な啓示すら感じるストイックなアルバム。Co-coloで目指したのは自己救済だったのだろうか。ここまで追いつめられていない聞き手は戸惑うしかない。6点。
|
◆ 彼は眠れない (89.10.11/第39位/1.1万枚)
1. ポラロイドGIRL(NEW REMIX)
2. 彼は眠れない
3. 噂のモニター
4. KI・MA・GU・RE
5. 僕は泣く
6. 堕天使の羽音
7. 静かなまぼろし
8. むくわれない水曜日
9. 君がいる窓
10. Tell Me...blue
11. DOWN
12. DAYS(NEW REMIX)
13. ルナ
|
またまた転向。ぎんぎらジュリー突然の復活。エキゾティックス以来の旧知の仲の吉田建をプロデューサーに迎えて、超ど派手に決めています。作家陣もユーミン、忌野清志郎、徳永英明、奥居香、鶴久政治、大沢誉志幸などなど豪華。Co-coloは一体なんだったのだろうか、という疑問は残るが、ジュリーはやっぱりこれだよね、ということで8点。
|
◆ 単純な永遠 (90.06.20/第72位/0.4万枚)
1. a,b,c...i love you
2. 世界はUP & FALL
3. Planet
4. プライド
5. 光線
6. NEW SONG
7. この僕が消えるとき
8. 不安にさせよう
9. 気にしてない
10. ジェラシーが濡れてゆく
11. 月のギター
12. 単純な永遠 |
イケイケジュリー。「TOKIO」の能天気さ再びのアルバム。ずらっと並ぶ秀作群。ぶっ飛ばしまくっています。この頃時代もバブルで全国総アゲアゲ状態でしたな。「この僕が消えるとき」では「トキオシティーも住みにくい世の中だ、注目されなきゃパラシュートも開けない」などと自らを自嘲気味に歌っとります。また「光線」の90年代ビジュアル系っぽさなども笑える。表題作「単純な永遠」は名作。9点。
|
◆ パノラマ (91.06.14/第68位/0.5万枚)
1. 失われた楽園
2. 涙が満月を曇らせる
3. SPLEEN 〜六月の風にゆれて〜
4. 2人はランデブー
5. BACK DOORから
6. 夜明け前のセレナーデ
7. STOIC HEAVY 〜盗まれた記憶〜
8. テキーラ・サンセット
9. 君の憂鬱さえも愛してる
10. 月の刃
11. Don't be afraid to LOVE
|
ちょっとしっとり。フレンチっぽさの漂う「SPLEEN」、昭和初期のような雰囲気の「2人はランデブー」Winkみたいな「涙が満月を曇らせる」、PANTA(「月の刃」)や泉谷しげる(「STOIC HEAVY」)の純情さがなかなかどうしていい。余裕と貫禄のデカダンス。8点。
|
◆ Beautiful world (92.06.10/第63位/0.6万枚)
1. alone
2. SOMEBODY'S CRYIN'
3. 太陽のひとりごと
4. 坂道
5. a long good-bye
6. Beautiful World
7. 懲りないスクリプト
8. SAYONARA
9. 月明かりなら眩しすぎない
10. 約束の地
11. Courage
|
「僕は今 幸せです」「チャコールグレイの肖像」に続く私生活アルバム。ジュリーの孤独で優雅な大人の休日、ってこういう「森のコット」みたいな自然体路線のジュリーは澤田研二であって僕らのジュリーじゃないやいっ。個人使用にとどめてほしいな。ということで5点。
|
◆ Really Love Ya!!! (93.11.17/第79位/0.5万枚)
1. COME ON ! COME ON !
2. 憂鬱なパルス
3. そのキスが欲しい
4. DON'T SAY IT
5. 幻の恋
6. あなたを想う以外には
7. CHILD
8. F・S・M
9. 勝利者
10. 夜明けに溶けても
11. AFTERMATH
|
そうそう、だからジュリーはアゲアゲがいいのよ。一曲目からシングル「そのキスが欲しい」まで一気に駆け抜けて「幻の恋」(―――これ高橋幸宏のバラードみたい、作は弟子の高野寛だけど)でしっとり。そのあとも「F・S・M」で跳ねたり、「勝利者」では40男の肩で語りまくり。よかよか。これでいいのですよ。8点。
|
◆ Hello (94.12.14/第89位/0.5万枚)
1. HELLO
2. DON'T TOUCH
3. IN BED
4. YOKOHAMA BAY BLUES
5. 卑怯者
6. RAW
7. ダーツ
8. Shangri-la
9. 君をいま抱かせてくれ
10. 溢れる涙
|
吉田建から後藤次利にプロデュースをバトンタッチ。ゴツグとはちょっと相性が合わないかなぁ。ゴツグも工藤静香のプロデュースでアーティストとしての貯金を使い果たしたのだろうか、ここではあまり魅力を感じない。タイトル曲「Hello」はいい曲だけれどね。ちょっとテンション落ちて、6点。
|
◆ Sur← (ルーシュ) (95.12.13/第96位/0.4万枚)
1. Sur←(ルーシュ)
2. 緑色の部屋
3. ZA ZA ZA
4. 恋がしたいな
5. 時計〜夏が行く
6. さよならを待たせて
7. あんじょうやりや
8. 君が嫁いだ景色
9. 泥棒
10. 銀の骨
|
沢田研二本人プロデュース再始動。ここから最新作まで、ずっと本人のプロデュースとなる。
ジャケットの派手派手さほど作品は派手に決めていないのは残念。またタイトルほどシュールでもない。ジュリーならもっとシュールになれるはずでしょうが。シュールなら「夢二」の感じだよ、「夢二」の。ただし「銀の骨」は名作。6点。
|
◆ 愛まで待てない (96.09.19/第54位/0.6万枚)
1.愛しい勇気
2.愛まで待てない
3.強いHERAT
4.恋して破れて美しく
5.嘆きの天使
6.キスまでが遠い
7.MOON NOUVEAU
8.子猫ちゃん
9.30th Anniversary Club Soda
10.いつか君は
|
ジャケ写がつんく♂みたい、というのはいいとしてだ。まだまだジュリーはいける、と確信の1枚。そう、ジュリーは愛までなんて待てやしないのよ、というそんな「背中まで45分」なジュリーがやっぱりそこにいて嬉しい。特にタイトル作のつきぬけっぷりは最高です。
また吉幾三作のバラード「恋して破れて美しく」が意外とよくてびっくり。7点。
|
◆ サーモスタットな夏 (97.06.25/ランクインせず)
1. サーモスタットな夏
2. オリーヴ・オイル
3. 言葉にできない
4. 僕がせめぎあう
5. PEARL HARBOR LOVE STORY
6. 愛は痛い
7. ミネラル・ランチ
8. ダメ
9. 恋なんて呼ばない
10. マンジャーレ!カンターレ!アモーレ!
|
早川タケジとしかいいようがない、悪趣味すれすれのジャケット写真がかっこいい。
表題作「サーモスタットな夏」の馬鹿っぽくも過激なジュリー萌え。続く爆音ギターがかっこいい「オリーブオイル」も最高。このシュールさとエッジ感がアルバム最後の最後まで続いたらよかったんだけれど……。やっぱり50代でやるにはちょっと体力不足!?7点。
|
◆ 第六感 (98.07.15/第76位/0.4万枚)
1.ホームページLOVE
2.エンジェル
3.いとしいひとがいる
4.グランドクロス
5.等圧線
6.夏の陽炎
7.永遠に
8.麗しき裏切り
9.風にそよいで
10.君にだけの感情(第六感)
11.ラジカルヒストリー
|
「ホームページLOVE」などと、若者向けに狙った言葉選びが逆説的におっさん臭さを醸し出してしまうちょっと親父のペーソスが漂うジュリー、そのイタさを含めて愛して生きたい。
「永遠に」の宮川泰大先生の美しいメロディーを派手なギターオーケストレーションでぶち壊しするやんちゃロック小僧ぶりも健在。白井良明との相性もよく「グランドクロス」「ラジカルヒストリー」と佳曲が並び、なかなかでは。7点。
|
◆ いい風よ吹け (99.08.25/第86位/0.3万枚)
1. インチキ小町
2. 真夏・白日夢
3. 鼓動
4. 無邪気な酔っぱらい
5. いい風よ吹け
6. 奇跡
7. 蜜月
8. ティキティキ物語
9. いとしの惑星
10. お気軽が極楽
11. 涙と微笑み
|
長髪でオールバックのジュリーが武田鉄也に見えるような気がしなくも……。さすがにビジュアル面の劣化は仕方ないのか。美輪明宏と武田鉄也を足して2で割ったようなお姿に時の流れの残酷さを見てしまいます。作品もそんなところ、いつもの通り頑張っているが、
パワーダウンに気付かざるをえない。50代の壁か。6点。
|
◆ 耒タルベキ素敵 (00.09.13/第53位/0.4万枚)
【Disc.1】
1. A・C・B
2. ねじれた祈り
3. 世紀の片恋
4. アルシオネ
5. ベンチャー・サーフ
6. ブルーバード ブルーバード
7. 月からの秋波
8. 遠い夜明け
9. 猛毒の蜜
10. 確信
11. マッサラ
12. 無事でありますよう
【Disc.2】
1. 君のキレイのために
2. Everyday Joe
3. キューバな女
4. 凡庸がいいな
5. あなたでよかった
6. ゼロになれ
7. 孤高のピアニスト
8. 生きている実感
9. この空を見てたら
10. 海に還るべき・だろう
11. 耒タルベキ素敵
|
20世紀のジュリーの集大成、二枚組の超大ボリューム。過去の作曲家陣を一堂に会しながら、ただの同窓会ではない、今のジュリーが躍っている。ジュリーはいつだって次の「耒タルベキ素敵」へ向けて疾走し続けるのだ。
オープニング「A・C・B」で汗みずくでほろっとさせ、陰影の深いラスト「耒タルベキ素敵」で心深い所で時を思う。
ジュリーマニアは涙して聴け。9点。
|
◆ 新しい想い出2001 (01.06.20/第90位/0.3万枚)
1. 大切な普通
2. 愛だけが世界基準
3. 心の宇宙
4. あの日は雨
5. 「C」'
6. AZAYAKANI
7. ハートの青さなら空にさえ負けない
8. バラード491
9. Good good day
|
新しい想い出とはなにか。茫洋と広がる大海のジャケット写真にジュリーがまた新たな次のページをめくったであろうことがわかる。
ただ、それはわたしの求めている歌手「ジュリー」ではなく、「澤田研二」一個人の世界であった。つまりこれは帰ってきた「Co-colo」である。5点。
|
◆ 忘却の天才 (02.9.01)
1. 忘却の天才
2. 1989
3. 砂丘でダイヤ
4. Espresso Cappuccino
5. 糸車のレチタティーボ
6. 感じすぎビンビン
7. 不死鳥の調べ
8. 一枚の写真
9. 我が心のラ・セーヌ
10. 終わりの始まり
11. つづくシアワセ
|
沢田研二が私生活を軸に置いた作品を作ると地味になるのは「僕は今幸せです」や「チャコール・グレイの肖像」「Beautiful world」で証明済みである。
忘却の天才―――忘却するのは澤田研二の演じたスーパースター「ジュリー」の記憶なのでは、という不安が過ぎる。5点。
|
◆ 明日は晴れる (03.4.25)
1. 明日は晴れる
2. 違いのわかる男
3. 睡蓮
4. ROCK 黄 WIND
5. 甘い印象
6. Silence Love
7. Hot ! Spring
8. ひぃ・ふぅ・みぃ・よ
9. 100倍の愛しさ
10. 夢見る時間(とき)が過ぎたら
|
3作続いたことで澤田研二が「耒タルベキ素敵」で「スーパースター・沢田研二=ジュリー」を封印し、これからはひとりの年老いたロック歌手として自分のしたいことだけをして生きていくつもりなのだろうということがわかった。
じゃあ、取り残されたジュリーマニアはどうなるの??という泣きごとをいいたい気持ちもあるが、好々爺然として幸せそうな彼を見ていると口篭ってしまう。ジュリーマニアのわたしは4点。
|