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オタクの戯言 「オリコンさんお願いします」

1970年から現在までの「CD・LP・CTアルバムチャート集」が欲しいぞ



  ――「カセットの売上」はどこへ消えた――

チャートマニアのはしくれとして、オリコン本社には足を向けないように寝ているまこりんです。
オリコンのためになら手編みのマフラーを編んであげたい。もしオリコンが机に顔を突っ伏して寝ているなら後からそっと毛布をかけてあげたい。それくらい愛しているといっても過言でない。過言でないのですよ。 ですがね、ですが、オリコンさん。なにか大切なモノを出し忘れていやしませんか?

オリコン30周年で出された1968〜1997年のシングル総合売上枚数をおさらいした「オリコンチャートブック アーティスト編 全シングル作品」(通称 赤本、と勝手にわたしは読んでいる)は大変重宝しています。もう使いすぎてズタボロになっていますわ。
ですがですが、それから1年後出された「オリコンチャートブック アルバムチャート編」(こちらは通称、青本)が1987年10月付け以降98年11月までのデータって言うのは、あまりにもあまりにも期間が短い、というかそれ以前のデータはどこやねん、と。
や。CD・カセット・LPの得点を全て加算した総合チャートをはじめたのが87年10月7日号からってのはもちろん知ってますよ、そりゃ知ってます。 でもって、LPチャート廃止後に1990年に1970〜89年までのLPの売上をまとめた「オリコンチャートブック LP編」というのもだされたのも知ってますってば。
ですが、今まで出版されたLP編とアルバムチャート編の2冊だけで補完できない部分が出てきてしまうじゃありませんか。 率直に言えば「カセット」の売上どこよ。と。



  ――カセットの売上動向がLPとは違っていた一例――


正直いって「LP編」だけだと、正確なそのアルバムの売上表記ではないわけじゃないですか。
だいたいカーステ、ラジカセ、ウォークマンの普及によって70年代後半からコンパクトカセットの商品が一気に売れるようになって、80年代にはLPの売上に迫るほどの売上を示していたわけですよね。それがCDに取って代わるまでのあいだは。
しかも当時は、カーステやラジカセで済ませるようなライトユーザー、あるいはお金のないティーンはカセット。 コアなファンや音響派はLP、って明確にユーザーが分離されていたわけじゃないですか。
そういった層の違いによって、カセット部分がソフトの浮動票の部分を握っているという事実があったわけじゃないですか。
だから、LPの売上のデータというのはそのソフトの売上を見る上で完全なものとはいえないわけで。その浮動票の部分――カセットの売上を見ないことにはわからないわけで。 LPの売上に1.5〜1.7倍にすれば総売上の実数おおかたが見えるんじゃないか、なあんてわけにもいかんわけで。

――え、そうなの?ということで毎度お馴染み中森明菜のデータで一例。
84年前後のアルバムデータを抽出してみると……。      
 タイトル LP(万枚) カセット(万本)
 ベストメモワール 33.3 32.9
 アニバーサリー 31.4 16.5
 ポシビリティー 36.1 26.3


「ベストメモワール」は83年12月にはじめて出した中森明菜のベスト盤。
「アニバーサリー」と「ポシビリティー」は84年リリースのオリジナルアルバムで、「アニバーサリー」はシングル1曲、「ポシビリティー」はシングル2曲を収録。

表を見ていただいたらわかると思うけれども、LPはこの3枚とも売上はあまりわからないのね。が、一方、カセットを見ると、これが大きく違う。
1番稼いでいるのが、「ベスト・メモワール」、LPとほぼ同数の稼いでいる。その次にシングル2曲を入れた「ポシビリティー」、次に1曲のみの「アニバーサリー」と。
つまり、LPの売上ってのは、その歌手にとっての基礎票なわけ。何が来てもひとまず買うよ、という。だからソフトの性質いかんに関わらずあまり売上は大きく変わらない。 一方、カセットはその時々の事情によって大きく変わる部分。好きなシングルが入っていたからとか、これだけ知っている曲が入っているんだからひとまず買うベ、とか。つまりそのソフトにおける浮動票の部分。 ヒットシングル指数が高ければ高いほどLP/カセットでカセットの比率が高くなる――浮動票の部分が大きくうごく、という事実は中森明菜に限らず当時の大抵のアーティストで弾き出されるもの。

(―――ちなみに。「ベスト・メモワール」と「ポシビリティー」がLP、カセット含めた総売上ではあまり変わらないのを、比率が違うのはなぜかというと、これは簡単。「ベストメモワール」は新曲無しのベスト盤だったので、いつもLPで買う固定ファンの一定は買い控え、一方テレビ番組だけ見て聞いていただけライトのファンや子供が試しに買ってみた、ということで結果カセット比率が高くなった、と。そう分析で間違いないと思う)


  ――当時カセットのみのベスト盤が数多く出されヒットしていた一例――


また、「カセットの売上」がわからないというのは、カーステ・ウォークマン需要で多数発売されて相当数の枚数を捌いていたカセットのみのベストアルバム、コンピレーションの売上の実体もまったく追えないってことになるわけじゃないですか。

カセットのみの企画が当時どれほど多くて、売上もあったのか、 今偶然手元にある1982年度の年間カセット売上チャートベストテンを例にこれまた挙げてみると……。

  
1 30.8万本 起承転結2  松山千春
2 28.3万本 寒水魚   中島みゆき
3 27.9万本 Nude Man  サザンオールスターズ
4 26.0万本 マイベスト20 中島みゆき
5 25.7万本 FOR YOU   山下達郎
6 24.3万本 ベスト・コレクション 来生たかお
7 23.8万本 メモリアル  中村雅俊
8 23.7万本 パイナップル 松田聖子
9 23.3万本 Over     オフコース
10 22.3万本 全曲集    松田聖子


この年で言うと、4、6、10位がカセットのみリリースのベストアルバム。みると無視できない結構な数捌いているでしょ。中島みゆきのベストとか。 この部分が、2冊だけだと「なかったこと」になっちゃうのが、いかがなものか、と。


  ――カセットの功績――


オリコンを見る限りでは、レコードからCDへの転換ってのは87年頃を境で(――87年リリースの作品の多くがLP、カセット、CDの販売実数がだいたい同じくらい。かつシングルもアルバムも売上が前後の年と比べ谷になっている)、以後CD化完了を契機に、音楽ソフトが爆発的に売れる現象が10年強続き、というのは直近の日本ポップス史においては当たり前すぎる事実だけれども、 それ以前にコンパクトカセットの普及によってアルバムのセールスが伸びたという、事実も忘れちゃいかんと思うんですよ。
前述したカーステ・ウォークマン・ラジカセ需要もあるし(―――当時はオーディオセットは高価なものでレコードプレイヤーがない家というのは普通にあった。しかしそんな家にもラジカセは必ずあったりした)、貸しレコード屋の隆盛(――みんなレコードをコンパクトカセットにダビンしたものでした)でアルバムが身近になって、結果アルバム全体の需要喚起を催したっていうのもあると思う。 そういった影響で、実際70年代前半と80年代前半と比べると、アルバムの売上が数倍に伸びているわけだし。
ともあれ忘れてしまったコンパクトカセットの功績を忘れちゃいかんのですよ。カセットの売上をなかったことにしちゃいかんのですよ。ってちょっと話がずれているな。


とにかく結論としては「カセットチャート」を含めた「完全・アルバムチャート」を出してくださいな。ということなのですが。ダメ?
「オリコンチャートブック カセット編」でもいいんだけれども、いい加減LP編も入手が難しくなってきたし、そもそも3冊立てにしても今度はCDチャートが出来てから現在の三位一体の総合チャートができるまでの期間のCD売上部分(86年〜87年9月分)が抜け落ちてしまうわけで、アレなわけで。
とにかく1970年から現在までのCD・LP・CTアルバムチャート集。何とかだしてくださいなぁ……。あ、青本を絶版にしたくないっつうなら、総合チャート直前の87年9月まででもいいですからぁ。

だいたい、ネットでも総合チャート以前に発売のアルバムは、LPのみの売上数とカセット・CDを含めた売上数がごっちゃになっていたりというのが多くって、かててくわえてテキストを挙げている人がそのへんの区別がわかってなかったりで混乱するんだよぉっっ。 チャートマニアの総本山として、オリコン様、1回交通整理してくださいな。

――という必死なオタクの戯言でした。ちゃんちゃん。


2005.03.31
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