ご、ご、ごめんよマイコ―――ッッ。 開口1番こう叫んでしまったよ。 いやあ、自分、なにも知らないくせにマイコーのことを知ったような顔していましたよ、いまの今まで。 今ならいえる。そう、私はマイコ―のことをなんにも、知っちゃいなかったのッッ。 ただ、なんとなく流れていた彼のヒット曲とゴシップだけで知ったような気になっていただけだったのッッ。 ごめんよ――。 うなの友人から借りたマイコーのプロモビデオ集「ヒストリー・オン・フィルム Vol.2」を見たんだけれども、もうね、ヤラレタ。 今日からマイコ―のことはファンがそう呼ぶように「ミカエル様」って呼んじゃう。というより、そう呼ぶのを許してくださいますか。 はっきしいって、このビデオ、やっばいっ。やばすぎる。 とにかく笑える。とめどなく笑える。笑い死に寸前まで行く。1ヶ月分ぐらいの笑いをたった90分で消費したってかんじ。 ミカ様、勘弁して、サイコーにきもくて、サイコ―にかっこよすぎるよぉー――。 ミカ様は、もう、いいよ。 ミカ様なら少年に悪戯してもいいよ。俺は許すよ。 だってミカ様だもん。 (―――でも「ミカ様」だとなんかマイコ―というより叶美香みたいだな、やっぱこの呼び方、止めよ) なんかねぇ、なんっつーの。みていると、色んなモノがどうでもよくなるっていうか、自分の頭のネジがどんどんゆるくなっていくのがわかるっていうか、 いや、もう、理屈じゃねぇ――んだよ、マイコーは、見るんじゃない、感じるんだっっ、ていうの?? いやあ、マイコーはまさしく世界にひとつだけの花だね。本当のオンリーワン。ていうかオンリーワンでないと困るって、こんなやつが世界に何人もいたら困るっちゅうの。 まだまだ日本のアーティストはマイコーの足元にも及んじゃねーな。三波春夫と郷ひろみを足してなんとか対抗できるって感じ?? 脳天にお花が咲いているカッコよさってゆーの?? あのさぁ、もし本気で「死にたい」と思っている人がいたとしたら、その人にはマイコ―のビデオを見せるのがといいと思うよ。 見ていると、色んなことがどうでもよく感じてくるはずだから。 それにしてもマイコーのダンスはジャニーズ系を中心に日本のポップスターのダンスにそうとう影響を与えていることがわかって、そういったところは真面目に面白かったですよ。 あ、田原俊ちゃんだ、お、少年隊だ、吉川晃司だなこれは、このへん江頭2:50にしか見えないな(オイオイ)、などと、見ていて色々思いましたよ。「ビリージーン」なんてムーンウォーク以外は郷ひろみそのものだし。 こっから、それぞれパートごとに思い立ったことをちょっとつれづれに。 オープニングの「Teaser」。 舞う紙吹雪、叫ぶ群衆、空を旋回する何台ものヘリコプター、そして何千もの軍隊を率いて登場するマイコ――。 巨大なマイコー像の除幕式に全世界の民衆が狂気乱舞するのであった。 よくわからんけれど、無駄な金を使って、無駄に壮大にして、無意味なことやるマイコー、というのはこのオープニングをみれば充分伝わる。 馬鹿でかっこいい。マイコーはバカッコイイのである。 しっかし、軍隊ダンスとか、ほんとう無駄にきれーだよなぁ。 全体的なテイストからベルトリッチとか「地獄の黙示録」を思い出しますね。 モータウン25周年記念プログラムから「Billy Jean」 解説によると、この瞬間ムーンウォークが完成した、という歴史的な映像なんだって。 というか、私には郷ひろみと江頭2:50を足したような動きだ、としか見えませんが。 それにしても、どれだけ、日本の芸能界に彼が影響を及ぼしたのか、というのがこれだけで充分わかりますね。ってこれは褒め言葉か。 よーしお父さんも無駄にジャケットばさばさしてみたり、意味もなく指差し点呼したり、こまめにズボンの裾引き上げたりしちゃうぞ――という気分なります。 しっかし、びっくりするほど黒人だなぁ。マイコ―。 キタキタキタ「Beat it」 これはもう、説明不用でしょう。マイコ―in「ウエストサイド物語」。シャーク団とジェット団の争いの真ん中に立ち入っていくマイコ―。「お前たち喧嘩はよくないぜ、俺と一緒に踊らないかい」そしてみんなで楽しく踊りましたとさ。というお話。 初期マイケルといえば何故か赤いジャケットでしたね。 この時期はネプチューンの名倉に本当、似ている。 「Liberian girl」 マイコーの自己満のためにハリウッドスターのみんなが集まったよ、という作品。 マイコ―のために集まったキラ星のスター達、だけれども肝心のマイコ―が現れない。みんながマイコ―を探している。マイコ―どこ――マイコ―どこ―――と思ったらなんだよ、カメラまわしていたのがマイコ―じゃん、というオチ。 マイコ―はどうやらアメリカ・ショウビズ界のやんちゃ坊やでいたいようです。 そんなマイコ―に付き合った善良な人たちは、ジョン・トラボルタ、クインシー・ジョーンズ、オリビア・ニュートンジョン、スティーブン・スピルバーグ、などなど。 デビットカッパーフィールドとドン・キングに受けたのは私だけではあるまい。 「Smooth Criminal」。 「ムーンウォーカー」来たぁ―――☆☆☆☆。 メガドラの大名作ゲーム「ムーンウォーカー」を知るものなら大爆笑必死。うなと二人でずっと笑ってました。 これがこのビデオのなかで、一番強烈だった。 いきなりドア開けると、ものすごい光と風が室内からシュパーッッッと飛ぶというオープニングから既にわからないし、マイコ―が出入り口に立ってコインを指ではじくと、1番奥にあるジュークボックスの投入口にそのままスムースインするという曲導入の演出など完全に冗談にしか映らない。 他にも、ギャグ漫画のように壁に人の形を残して彼方に吹っ飛んでいくギャングとか、存在意義のよくわからないシーソーのような階段とか、途中、突然歌が終わって、うねうねうねと暗黒舞踏のようになったりとか、と思ったらまた歌が始まったりとか、いちいち理由が全くわからない。わからないけれど面白いから許しちゃう。 これらの意味不明アイデアって、やっぱりマイコ―が出してきたものなんだろうなぁ。きっと。 ダンスも、その場六角形ムーンウォ―クをはじめ、「おもっきりななめっちゃうけど倒れな――い」ってやつとか、「腰にバシっと両手を当てちゃうよ」ってやつとか、「帽子をちまちま動かしちゃうよ」ってやつとか、色んなパターンを見せてくれます。 殿堂入り作品、見るべし。 「95年MTV ビデオ・ミュージックアワード パフォーマンス」 いいなぁ、こういう自己満足な舞台。 なんか、ある意味みんな暖かいよね。 客・スタッフを含めた会場にいるみんながマイコ―の自己満のためにおおわらわ、という印象を受けたよ。 あの下から光と風とスモークを出す装置、あれが最高に無意味でかっこいいよねぇ。 でもって「ビリージーン」の部分はもうかっこいいという言葉を超えてますよ。 人間でない、謎の奇妙な生き物ですよ。あれは。キモ――い、マイコ―動きキモ――い。 「デンジャラス」のパートの部分もいい感じ。もちろん「馬鹿」という意味で。 「Thriller」。 これは説明しなくてもいいでしょ。マイコ―がゾンビになっちゃったよ、という例のアレ。 今回見て、特に気づいたことといえば、そうだな、「オープニングの映画館でポップコーン食いながらホラーを見ているマイコーの眼がなんだかとってもキモイです」ってことくらい?? にやついた表情が変質者みたいでした、マイコ―。 「Scream」 ジャネットとのデュエット。 時は近未来。謎の宇宙船のなかで二人はくねくね踊ったり、謎のスカッシュのうなゲームをやったり、テレビゲームをやったり、茶室みたいな空間で瞑想したりします。 何故かバックには日本のアニメが流れております。こんなところで荒木・姫野キャラに出会うとは思わなかったよ。 それにしてもジャネットの方が男らしいというのは、どういうことなのだろうか。 「childhood」 マイコ―は少年たちと星の船に乗って旅立ってしまいます(行き先はネバーランド??)。 マイコーの顔が完全オカマさんです。うないわく「マッキーみたいだよね」。こらこら。 少年愛疑惑のある歌手がこういったPVをつくるというのが、なんッつーか凄いよね。マイケルだけはガチ。 「You are not alone」 CGでの天使マイケルが吐き気がするほどキモイ。 元妻と半裸でいちゃついているのだが、妙にうそ臭い。マンコーのちんこはこの女相手に勃つのか?というかマイコーにはついているのか、という感じ。 しかし裸のマイケルを見て思うのは「一体どうやって皮膚移植したのかということ」。うな曰く「ここまで来たらホムンクルスだよね」。 このころのマイコーってちょっとラルクのhyde入っているよね、といったらファンの人怒る?? 「Earth song」 大味な地球環境ソング。 マイコーの歌声によって地球すらも再生するんだってさ。 そんな歌作って、無駄に金をかけたPV作るよか、その分の金を寄付した方が早くないか、マイコ――。っということは言いっこなしで。 この頃のはちょっと退屈。環境問題を総論で語ってはどんなやり方でも徒労に終わると思っている私なので、ごめんねマイコ―。ただ、君のピュアさはよくわかったよ☆ 「They Don't Care About Us」。 ブラジルで「みんなのマイコ――」ってことか?? 売れ行きがやばくなると「みんなの代弁者だよ」って顔をするのは、浜崎あゆみも取りいれている手口ですな。 「Stranger in Moscow」 「Blood on the dance floor」 この辺になると、タルい。 映像技術に凝っているだけではマイコ―は楽しめないのである。わたし的には。 馬鹿なことやってなんぼでしょ。マイコ―は。 「Brace yourself」 何かの悪い冗談だと思っていたオープニング「Teaser」が「マイコ―にとっては日常に過ぎない」ということを知らしめるエンディング。 制服来た百人くらいはいるであろうSPはほとんど私設軍隊だし、ファンは狂気乱舞、現人神に出会ったかのように泣き叫び、正気を失い、失神寸前までいってしまう。というか、実際失神者続出なのである。このへん、ほぼオープニングのまんま。 世界中のみんながマイコ―を求めているのである。 ものすごい、とにかくものすごい。見てはいけなかったドキュメントフィルム。 おまえらどーかしてるよ。 全体を通してみての感想は、とにかく、面白い。堪能しました。お腹いっぱいです。ってところ。 ここまでいっているとは、正直思いませんでしたよ。 このビデオを見る前の私のように、マイコ―を知ったかぶりしてる状態の人は絶対見て欲しい。 本当のマイコ―はあなたが想像しているより遥かに(色んな意味で)凄いんだから。 彼はホンモノです。「では彼はホンモノの何なのだ」ってのは私程度の脳味噌のキャパの人間にはわかりません。ええ、わかりませんとも。 マイコーとおんなじ月の種族ならわかるかもね。 是非、動くマイコ―をきちんと見たことがないあなたは是非、の作品です。 |
2004.04.10