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2003年大晦日・個人的テレビ視聴ドキュメント


風邪がなかなか治らない。
その日も微熱が続いていた。
テレビを見ることくらいしか出来ることがない。
ということで、これは、興味もないのにずっとテレビを見ていた2003年大晦日の個人的テレビ視聴ドキュメントである。

午後五時半、テレビをつける。

ひとまず、テレビ東京「年忘れニッポンの歌」である。
前半は紅白出場演歌歌手の歌唱である。
後半はここでしか見れない、ある意味プレミア―――なナツメロ歌手のオンパレードである。
いつものアレだなぁー―、と思いつつ見る。
それにしても絵づら、ビックバンドといい、セットの電飾といい、後ろを固めるスクールメイツや花柳糸之社中の面々といい、こちらの方が今となっては紅白っぽい。
六時からは「レコ大」、七時半からは「紅白」とザッピングしつつも見つづける。

途中、柏原芳恵や太田裕美が出てきたのは、驚いた。とうとうこっち方向なのかぁ、彼女らも。
あと、麻倉未希、伊藤咲子がやたら楽しそうに絶唱していたのが印象的だった。
こういった今年なんの仕事をしていたのかよくわからない、だけど全然劣化していない歌唱ぶりを自信たっぷりに楽しそうに披露する人たちってのは、別に良いんですけれど、なんかアレですよね。
その他、日吉ミミの相変わらずの超音波ボイス、やっぱり女性陣トリ――一部で昭和の「あゆ」といわれる素敵なドレスが特徴的な歌姫、松山恵子の「お別れ公衆電話」など、この番組を楽しんでしまう自分がちょっぴり悲しい。


六時からはこれまた定番の「輝く!レコード大賞」。
いつも通りに盛り上がっていません。
なんかただの今時の歌番組だよなぁ、これって。

BoA「Double」歌唱時のカメラワーク、テロップが無駄に凝っていたのは何故だろう。
凝り過ぎで逆に笑えました。

しかし、新人賞の演出はどうだろう。
誰だか知らない歌手+一青窈という布陣だったのだから仕方のないのだろうけれど。
「神園さやかの5万人握手キャンペーンの〆をレコード大賞で」といわれても視聴者の99%は「フーン、それで」という感じだし。
あと、SHYのやたら自信たっぷりの歌唱とダンス、だけど冷ややかな周囲というのがなんともアレでした。
「居酒屋サンバ」は、まぁ、がんばってください。次作は是非とも「焼き鳥サンバ」のカバーしてください。
しかし、日本レコードセールス大賞やら日本有線大賞やら他の賞レースの模様とかって、いつもいったりするものだったっけ。
妙に気になりました。

でもって、大賞はやっぱりの「浜崎あゆみ」。
まぁ、賞レースっていのは、過去の遺物ですから。といって自分をなだめよう。
ちなみに今回の大賞受賞シーン時の裏の紅白歌手は華原朋美withコロッケ。こういう露骨なコネ待遇というのもどうだろう。


退屈だなぁと思って、ザッピングして不意に見たのが「大晦日だよドラえもん」。
昔のパーマンが、ある意味で、泣ける。
アニメーターも声優も劇伴もいわゆる大人の仕事。今のアニメがなくした全てがあるような気がする。
だって、NHK教育でちょうど十時からやってた「十二国記」とくらべると、もう、ね。
それにしても今のCGッぽいベタっとしたセル絵――無駄に影をつけた目にうるさい鮮やか過ぎる色使いの絵、というのはとにもかくにも色気がないよ、そこに気づかないというのは無教養が過ぎる。

さらにチラッと見ただけで済んでしまった「ボブサップVS曙」。1ラウンド3分弱で決着。
格闘技のことは知らないが、なんというか、曙が晒し者というか公開処刑というか。
この3分に数千万、数億という金が動いたのであろうし、その話にのった彼らなのだから何もいうことはないのだろうが、異邦人が見世物にされているという印象しか残らなかった。
貴乃花も暢気に解説席なんかに座ってないで、同期なんだから、もうちょっとこんなことになる前に助けてやれよ。
それにしても、小柳ゆき、紅白落ちて何してるのかと思ったらこんなところにいるとは。
あと、スティービーワンダー、あんたこんな日に日本でなにやっているのよ。


七時半からは「紅白歌合戦」
正直いってまともには見なかった。
セットとの作りが「レコ大」と「年忘れ日本の歌」の間といった感じで中途半端。

長山洋子「じょんから女節」。結構好きなんだよなぁー。声の張り方とか、魂はいっている。
そういえば彼女って、デビューする時、三味線持って民謡という案もあったんだよね。
ともあれ昨日「ザ・ベストテン」で完璧に「ヴィーナス」歌ったっていうのに今日は紅白で三味線片手に演歌歌っている、その落差にクラクラ。
このひと、時折ポップスも歌ったりしたら多分敵なしなのになぁ――と、ベタ褒めしてみたりする。

と、比べるに藤あや子の百恵カバー「曼珠沙華」はどうにもどうにも。
情念のこめ方とか実に退屈で、あんだけエモーショナルな原曲がただのカラオケになってしまっている。
演歌的な歌いまわしをすればそれなりに上手くいくものを、何故ここまでつまらなくなるのか、ある意味、不思議。
「むらさき雨情」ヒット時、藤あや子のことを表面的で浅い、ただのビジュアル系美人カラオケ演歌歌手なのではと疑っていたが、ここで確信に到った私である。

もうひとつ苦言を呈する歌手は天童よしみ。サイゴンの歌姫カーン・リーのカバー「美しい昔」の歌唱である。
この後が大トリ、SMAP「世界にひとつだけの花」だから、きっと「反戦」という意味での選曲であろう。
が、これがダメダメ。
彼女の元々のレパートリーということらしいが、どういう解釈による歌唱なのか理解に苦しむ。
銃後の女の歌であるこの歌を、「珍島物語」などと同じいつものごとく張って朗々と歌ってしまっては、その重さ、切々さがまったく伝わらない。
この歌はもっと声と情感をぐっとを抑えて歌わなければいけない。
天童よしみの歌唱も以前から「歌が上手い」というイメージで攻めている割にどうもだなぁ、と思っていたが、やっぱり……である。
もっと上手く歌う演歌歌手がいっぱいいるであろうなぁ、と思わずにはいられない、彼女のどすんとした容姿そのままの締りのない仕上がりであった。
きっと「引きの技術」というのを彼女はいまだにまったく身につけていないのだろうな。
まぁ、彼女はこういうことはやらないていいでしょ。底の浅さがバレるだけだよ。
本人がやりたいというなら止めませんが、とにもかくにもグルーブ感が足りません。


たりぃなあと思ってそのままチャンネルをザッピング。
と、NHK教育「大希林」で手をとめる。
年末ということで、「昔の歌の歌詞にある失われた光景」がテーマであった。
「時の過ぎゆくままに」「喝采」「別れの朝」「昔の名前で出ています」など相変わらず久世光彦好きな選曲。
でもやっぱりいい曲だよなぁ。演歌はこれだよなぁ。
――と思いたち、番組終了と共にテレビを消し、ちあきなおみのベスト盤のCDをトレイに載せて静かに曲を流したところに近くの寺院から除夜の鐘が聞こえた。
そんな私の年越しであった。

あけましておめでとう。


2004.01.01


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